コンサルタントコラム

所属
リスクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ
役職名
主任コンサルタント
執筆者名
渡辺 光彦 Mitsuhiko Watanabe

2017年4月7日

近年、IoTという単語が一般化されてきた。IoT(Internet of Things)とは、モノをインターネットに繋げることで情報のやりとりが円滑化され、その結果、便利になるというものである。最も身近にあるインターネット機能があるものとしてスマートフォンが挙げられる。スマートフォン等のデジタルデバイスは著しく普及し、IoTとともに多くの分野で効果的な活用についての検討が進んでいる。

たとえば、我々に馴染みのある自販機では、各自販機をインターネットに繋げることで日々変動する在庫・釣銭の状況をスマートフォン等へアラート通知させ、在庫等が少なくなった自販機設置箇所を優先運行することで、事業の効率化を図っている。IoTやデジタルデバイスの効率的な活用は、経営に直結する問題であり、今や必要不可欠な検討課題と言えるだろう。

交通事故防止の観点からスマートフォンの活用の可能性について考えたい。

1. スマートフォンの普及状況等

総務省の平成27年通信利用動向調査によれば、スマートフォンを所有する個人の割合は約53%に達し、平成25年の約39%から上昇している。インターネット利用状況においては、13歳から59歳までの利用率は9割を超えており、ここ数年高い水準である点に変わりはないが、60歳から79歳までのインターネット利用率が上昇している点が特徴的だ。平成27年の60~69歳の利用率は約77%(平成23年:約69%)、70~79歳は約54%(平成23年:約43%)で過去5年間で徐々に上昇してきている。また、世帯毎で使用する情報通信機器としてはパソコンが約77%で最も多いものの、スマートフォンがそれに肉薄し、約72%となっている。これらのデータから、高齢層においてもインターネットとの親和性は徐々に高まっており、社会的に高齢化が進む中でスマートフォンを使用した各企業の施策は比較的抵抗が少なく浸透する可能性が高いことが伺える。

2. スマートフォンを活用した交通事故防止取組

交通事故防止の分野では、スマートフォンを活用した交通事故防止取組が目立っている。たとえば、スマートフォンを車内に設置(固定)し、急減速等の危険な運転挙動がみられた場合にアラート通知や、当該情報をサーバーへ送信し、情報集約を図ることで安全運転のための運行管理に役立てるというものである。また、いつ、だれが、どの程度走行したのかを同様にサーバーへ送信し、運行記録として管理者が用いる事例もある。現在のスマートフォンの多くは、映像記録機能が備わっているため、アプリ・ソフトを導入し、効果的に活用することで、市販のドライブレコーダーやテレマティクス製品にさえも匹敵するものとなり得るのである。

弊社においても、普及したスマートフォンに着目し、幅広い方々にご利用いただけるよう、自動車運転の危険予測トレーニングアプリ「セーフティトレーナー」をスマートフォンに対応させ、2017年3月にリリースした。同アプリは運転中の交通映像で危険と思われる箇所をタッチすることでトレーニングするもの(1回のトレーニングは1分弱で実施可能)であり、実証実験により安全確認の改善効果が学術的に認められたアプリである。事故防止活動は、一過性のものとなっては効果が期待できず、また負担のあるものを継続的に実施することは相当なパワーが必要である。スマートフォンを上手く活用し、短時間で継続的にトレーニングを行うことができるものを検討されてみては如何だろうか。スマートフォンにアプリをダウンロードすることで無限の可能性が開く時代がきているのだからそれを利用しない手はない。

以上

(2017年4月6日 三友新聞掲載記事を転載)

渡辺 光彦 Mitsuhiko Watanabe
氏名
渡辺 光彦 Mitsuhiko Watanabe
役職
リスクマネジメント第二部 交通リスク第一グループ 主任コンサルタント
専門領域
交通事故防止コンサルティング