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「気候変動風災リスク分析サービス」の開始について

2024年1月23日

MS&ADインターリスク総研株式会社

MS&ADインシュランスグループのMS&ADインターリスク総研株式会社(代表取締役社長:一本木真史)は、お客さまの日本国内資産を対象とした気候変動下における風災リスク分析サービスの提供を開始しました。

近年、激甚化傾向にある台風に象徴されるように、気候変動の顕在化にともない、TCFD対応として企業は気候変動下における物理的リスクの評価を開示することが求められています。本サービスを利用することで、保有する拠点や今後進出する予定の拠点における気候変動下での風災リスクを定量的に把握することができ、TCFD開示対応へ活用することが可能です。

本サービスでは、大手自然災害リスクモデリング会社であるMoody’s RMS社と協働で、日本国内を対象とした気候変動下における風災リスク分析を実施します。商業拠点や工場・倉庫等の建物といった固定資産のみならず、商品・在庫品等といった棚卸資産も対象に、気候変動下における台風による「強風」が引き起こす被害想定額を算出します。

また、本サービスはお客さまの将来の設備投資戦略への活用も可能です。将来設備投資を想定している候補拠点に対して気候変動下における自然災害の発生による損害や財務への影響を事前に把握することは、設備投資の計画を策定する上で重要です。

当社は、今後も、お客さまのニーズにお応えする各種リスクコンサルティングサービスの開発・提供に努めていきます。

1. 新サービスの概要

サービス名 気候変動風災リスク分析サービス
分析対象災害 台風による「強風」
分析対象年 現在気候、2030年、 2050年、2100年
対象とする気候変動シナリオ RCP2.6(SSP126相当), RCP4.5(SSP245相当), RCP6.0(SSP370相当),
RCP8.5(SSP585相当)の4パターンにて算出可能
※RCP: 代表濃度経路シナリオ
※ SSP:共有社会経済経路シナリオ
分析に必要なデータ 位置情報(緯度経度)、資産価額(建物・内容物別)
建物概要情報(物件種別、構造、用途、建築年、階数等)
成果物 ・現在気候および、気候変動下における再現期間別の被害想定額、年間期待損失額を記載した数値報告表ならびに、分析手法の概要説明資料
・上記資料をお客さまへ納品するとともに、分析結果のご説明をいたします。

【被害想定額 分析結果のイメージ】

被害想定額 分析結果のイメージ

2. 新サービスの特長

本サービスは、自然災害リスク評価で世界的に実績のある米国大手自然災害リスクモデリング会社Moody’s RMS社のモデルを使用します。本モデルは様々な台風イベントについてシミュレーションを行い、気候変動下における日本周辺での台風の発生頻度の変化、経路の変化に関する学術的知見を反映し、年間期待被害想定額に加えて、100年や200年に一度といった再現期間別に被害想定額を算出する「確率分析」による結果、及び、分析手法の概要説明を記載した報告書をご提示いたします。本モデルではエネルギー・インフラ関連企業が保有する発電所・事業所や、製造会社が保有する工場、銀行・金融機関が保有する多拠点資産といったお客さまが保有する資産の情報(物件種別、構造、用途、建築年、階数等)を考慮した精緻な分析が可能です。本サービスを利用することで、TCFD開示対応や将来の設備投資計画への活用が可能です。

さらに、本サービスは弊社の既存のサービスと併用することで、TCFD対応を拡充させることも可能です。「LaRC-Flood洪水リスクデータべース」のコンサルティングメニューと併用することで、風災、水災の両方の物理的リスクを定量的に把握することが可能です。

3. サービス利用の流れ

サービス利用の流れ

4. 費用

1拠点あたり45万円(税別)~でご提供いたします。

(ご参考)協働先
Moody’s RMS
自然災害のリスク評価における業界大手のモデル提供会社
米国本社:米国・カリフォルニア州 ニューアーク
日本支社:東京都千代田区

以上