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高齢者の自動車運転および運転免許証の返納に関する実態と意識について

2021年09月27日

MS&ADインターリスク総研株式会社

MS&ADインシュアランス グループのMS&ADインターリスク総研株式会社(社長:中村 光身)は、2021年7月に、全国の日常的に自動車を運転している1,000人を対象に、「自動車運転をテーマとするアンケート調査」※1(2019年、2017年に続く3回目)、および、運転免許証を返納した1,000人を対象に「運転免許証の返納をテーマとするアンケート調査」※2(2019年に続く2回目)を実施しました。詳細な報告書は弊社ホームページで公開しますが、ここでは、本調査で明らかになった高齢者の自動車運転および運転免許証返納の実態と意識に関する結果の概要について紹介します。

1 2021年7月7日~9日に実施した事前調査において、「月に数回以上運転することがある」と回答した各年代の男女計1,000人を抽出し、2021年7月15日~18日の間にインターネットによる調査を行いました。

2 2021年7月7日~9日に実施した事前調査において、運転免許を自主的に返納した、または、あえて更新せずに結果として返納した60歳以上の男女計1,000人を抽出し、2021年7月15日~18日の間にインターネットによる調査を行いました。なお、本調査では、「自主返納」と「非更新」の双方を合わせ、「返納」としています。
(あえて運転免許を更新しないことで運転の継続を自主的にやめたという行為も返納のあり方の一つとして捉えています)

1. 高齢者の自動車運転に関する実態と意識について

  • 自動車運転に対する自信は高齢になるほど高くなる。これは過去に実施した2019年、2017年の調査と同様の傾向である。
  • 75歳以上の回答者の約6割は直近の3年間でヒヤリ・ハットの体験がないとしている。
  • 75歳以上の回答者のうち運転免許証の返納を検討したことがあるのは15%に満たない。運転免許返納を検討する主なきっかけは、「高齢者による重大事故のニュースを耳にした」ことである。運転免許証の返納を検討したが返納しなかった主な理由は「他の移動手段もあるが不便なため」である。
  • 4割超の回答者が「高齢者向けの安全運転支援機能付き自動車を前提とした免許証」があれば、それを取得して自動車運転を続けたいと答えているものの、2019年の調査結果に比べるとその値は減少した。

2. 高齢者の運転免許の返納者の実態と意識について

  • 運転免許の返納者の23.2%が「大変良かった」、52.1%が「良かった」と回答した。合計すると75%を超える回答者が免許返納したことをポジティブに評価していた。
  • 運転免許を返納した理由は、「運転をしていなかった(ペーパードライバー)(27.7%)」、「運転をする必要がなくなった(23.7%)」、「高齢者による重大事故のニュースを耳にした(20.3%)」が上位の回答となった。2019年の調査との比較では「高齢者による重大事故のニュースを耳にした」が16.1%から20.3%に増加した。
  • 運転免許を返納するメリットは、「事故を起こす心配がなくなった(58.1%)」、「車の維持費などの移動にかかる費用が安くなった(41.4%)」、「運動量が増えて健康になった(21.5%)」、「家族に安心された(21.4%)」が上位の回答となった。また、年齢が高いほど免許返納のメリットを感じている傾向が確認された。
  • 運転免許を返納するデメリットは、「買い物の不便(18.1%)」などが挙げられた。免許返納後の「外出の頻度」は、回答者全体のうち2割以上で減少し、増加は5%以下であった。特に、最寄駅やバス停までの徒歩による移動時間が「10分以上」かかる場合、回答者の3割以上で外出頻度が減少し、増加は3%程度に留まった。

別紙1:「高齢者の自動車運転に関する実態と意識」についての主な調査結果(抜粋)

別紙2:「高齢者の運転免許の返納者の実態と意識」についての主な調査結果(抜粋)

以上