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全世界の気候変動リスク・洪水リスク評価が可能な
プラットフォーム「洪水リスクファインダー」をリリース

2024年1月19日

MS&ADインターリスク総研株式会社

MS&ADインターリスク総研株式会社(取締役社長:一本木 真史)(以下、「インターリスク総研」)は、2024年1月19日に全世界の気候変動リスク・洪水リスク評価が可能なSaaS型プラットフォーム「洪水リスクファインダー」をリリースしました。

洪水ハザードマップがこれまでなかった地域に事業展開する企業や、将来の洪水リスクをグローバルに把握されたい企業の皆さまは、本プラットフォームを活用することで、主体的に多様なシナリオを評価できるようになり、現在および将来における洪水リスクの全体像(洪水浸水深の変化や洪水による被害額など)を把握することができます。リスクの多角的な評価・効果的なリスクマネジメントを促進させ、社会全体の気候変動リスク低減を図ります。

1. 洪水リスクファインダーの概要

2023年4月にインターリスク総研は、お客さまの拠点(事務所・工場など)における現在気候、2℃上昇未満、4℃上昇の各シナリオにおける将来の洪水浸水深の変化や洪水による被害額等を算出するコンサルティングサービスをリリースしました。同サービスでは、コンサルタントから補足的な情報も加えた報告書をご提供していた一方で、お客さまの拠点情報をいただいてからご提供するまでに時間を要しておりました。

そのような背景を踏まえ、インターリスク総研は、SaaS型プラットフォームである洪水リスクファインダーをリリースしました。本プラットフォームにより、企業の皆様は、自社の拠点情報を登録するだけで、現在および将来の浸水深や被害額等を算出することができ、高解像度の洪水リスク評価をリーズナブルな価格で短時間に行うことが可能となります。企業が主体的に多様なシナリオを評価できるようになり、TCFD※1開示等の活用促進だけでなく、企業の効果的なリスクマネジメントの実現を支援し、社会全体の気候変動リスク低減を図ります。

洪水リスクファインダーでは無償版もあり、企業・自治体は気軽に洪水リスクの確認を行うことができます。無償版は解像度、気候シナリオなどの制限があるため、自社拠点の詳細な洪水リスクを把握されたい方は、プレミアム版(有償版)のご利用をおすすめいたします。(洪水リスクファインダーの利用を希望する方はhttps://www.irric.co.jp/lp/flood-risk-finder/index.phpから登録ください。)

  • 1 「Task Force on Climate-related Financial Disclosures」の略。気候関連財務情報開示に関するタスクフォース

<洪水リスクファインダーの仕様>

  無償版 プレミアム版(有償版)
分析対象 河川洪水
対象地域 全世界
空間解像度 約500m 約90m、日本では約30m
再現期間 100年 100/200/500/1000年
対象年代 現在/2080年 現在/2030年/2050年/2080年
気候シナリオ ssp5-8.5※2 ssp1-2.6※3/ssp5-8.5
出力可能データ - 各拠点の浸水深、
被害額(再現期間ごと、期待値)、
影響日数(再現期間ごと、期待値)
料金形態 - 10万円/1拠点
  • 2 ssp5-8.5:現時点以上の気候政策が導入されないシナリオ(4℃上昇シナリオ)
  • 3 ssp1-2.6:持続可能な発展に向けて気候政策を導入するシナリオ(2℃上昇未満に抑えるシナリオ)
洪水リスクファインダー(無償版)の操作画面(インドのデリー近郊)

<図:洪水リスクファインダー(無償版)の操作画面(インドのデリー近郊)>

[参考]お申し込みの流れ

<図:お申込みの流れ>

2. 使用している洪水ハザードマップについて

洪水ハザードマップは、2023年4月にリリースしたコンサルティングサービスと同じものを使用しております(リリース文はこちら)。本ハザードマップは、東京大学、芝浦工業大学と共同で立ち上げた「LaRC-Flood®プロジェクト※4」の研究成果であり、CaMa-Flood※5の開発者である東京大学の山崎大准教授が浸水深空間分布の高度化に携わった唯一の共同研究プロダクトです。2023年3月には国土交通省が公表したガイドライン「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き~気候変動を踏まえた洪水による浸水リスク評価~※6」で、CaMa-Floodを用いたグローバル将来洪水ハザードマップとして紹介されました。

以上