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長期の事業停止を想定したBCP(BCTP)構築支援サービスの開始

2023年8月24日

MS&ADインターリスク総研株式会社

MS&ADインシュアランス グループのMS&ADインターリスク総研株式会社(社長:一本木 真史)は、長期の事業停止に備えるための新しいBCPモデル「BCTP(Business Continuity Transformation Plan)」の構築支援サービスの提供を開始しました。

1. サービスの背景(BCPにおける「Transformation戦略」の必要性)

BCP(Business Continuity Plan)は、企業等が危機に直面した際、企業全体の操業度落ち込みの幅を小さくし、復旧のスピードを上げることを目的に策定されますが、これまで、その目的は主に、企業等の「重要事業」に経営リソースを集中投入し、「重要事業」をいち早くもとに戻すことで達成されてきました。

ところが、近年、大災害、感染症、サイバー攻撃など、危機が長期化・常態化することが当たり前になり、危機の途中で事業の環境そのものが変化してしまう事態が発生しています。そして、事業の環境が変化することで、これまでの「重要事業」が「重要事業」でなくなったり、これまでの事業運営が通用しなくなってしまう事態も発生するようになってきています。

かかる状況のもと、従来の「重要事業」をもとに戻すことだけでは、企業全体の操業度を大きく向上させる効果は期待できません。今後は、「重要事業」そのものや、「重要事業」のやり方を、危機の途中で抜本的に変えるような「もとに戻さずに変革する戦略」もBCP戦略として必要となります。

ここでは、このような戦略を「Transformation戦略」と呼びますが、2022年3月17日に有識者を招いたセミナー開催後に実施したアンケート結果(回答数80名)から、企業等の関心の高さが伺えます(70%が「関心あり」と回答)。

2. BCTPとは

弊社では、上記「Transformation戦略」を、従来の「オールハザード型BCP」に追加したBCPを、「BCTP(Business Continuity Transformation Plan)」と定義します。オールハザード型BCPに変わるBCPではなく、オールハザード型BCPの発展形だと整理しています。

そして、BCTPに追加する「Transformation戦略」として、以下3つの類型の検討を推奨します。

3. サービスの概要

弊社では、上記BCTPの構築を全般的にご支援します。

具体的なご支援イメージは以下のとおりです。

ご支援 概要
①現状分析:
Transformation戦略の方針構築を支援
■BCP所管部門にヒアリング等を実施したうえで以下を実施。
  • Transformation戦略の「必要性」診断
  • 上記を踏まえたTransformation戦略の「方向性」整理 等                       
②戦略構築:
Transformation戦略そのものの構築を支援
■BCP所管部門のみならず経営層や関係部門の参画を得て、以下観点から「既存BCP戦略の見直し」を実施。
  • 「長期の事業停止」までを想定した事業影響度分析(BIA: Business Impact Analysis)の再実施
  • 上記分析を踏まえたTransformation戦略の構築
  • 上記戦略を組み込んだBCP戦略の全体像の再構築 等
③戦略浸透:
Transformation戦略の浸透を支援
■BCP所管部門のみならず経営層や関係部門に対して以下を実施
  • 事業影響度分析(BIA:Business Impact Analysis)の習慣化
  • 各部門のTransformation戦略を収集・関与する仕組みの構築
  • 経営層への定期的な「意識づけ」の実施

<参考:情報誌InterRisk Report>

BCTPの必要性、定義、構築のポイント等をレポートの形で整理をしていますので、ご参照ください(こちら

BCMニュース2023年No.1『「長期の事業停止」に備えるBCPの新たな潮流・BCTP構築のすすめ』

以上