リスクマネジメント用語集

土壌・地下水汚染

何らかの原因により地層に染み込んだ汚染原因物質は、その物質の特性や地質によってスピードが異なるものの、「低いほうへ」「移動しやすいほうへ」と拡散していく。

地層は、陸上近くの表層部で、植物を支えている「土壌」と、地層の間隙や岩石の割れ目などで流動あるいは滞留している「地下水」に分けられる。特にトリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素系化合物は、水よりも重く、粘性が低くサラサラしているため、速やかに地中を浸透し土壌汚染ばかりでなく、地下水までも汚染するケースが少なくない。

【図表1】汚染の地下挙動
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土壌・地下水汚染の特徴

a. 汚染発生の把握が困難

土壌・地下水汚染は、目に見えない地面の下で発生するため、土地使用者・所有者でさえも汚染の事実をなかなか認識できない。しかし、汚染はゆっくりと、確実に進行し、「井戸水が臭い」「体の調子が悪い」などの近隣からの苦情により汚染が判明したときには、すでに甚大な汚染に発展しているケースが少なくない。

b. 自然浄化が望めない

土壌・地下水汚染は、大気や河川などの汚染と異なり、ひとたび汚染されると自然浄化されにくく、汚染原因物質を人的作業により除去しない限り、汚染された状態が持続し、長期的な被害をもたらす可能性がある。

c. 対策が遅れると多額の浄化コストが発生

特に対策が遅れ、地下水汚染まで引き起こした場合、汚染された地下水が広域に広がり、その浄化費用が増大する。したがって、土壌・地下水汚染は早期に発見および対策を行うことが極めて重要といえる。

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