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認知症に関する意識調査
認知症は最もなりたくない病気。予防に関する理解が重要。

2021年3月8日

MS&ADインターリスク総研株式会社

MS&ADインターリスク総研株式会社(取締役社長:中村 光身)は、2021年1月、全国1,000人を対象に認知症をテーマとするアンケート調査を実施しました。

本調査では、回答者には認知症に対するイメージ、発症リスクを高める因子、予防(発症を遅らせること)、および予防サービスの利用意向に関する設問に回答していただきました。

認知症とは「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」を指します。現在我が国の65歳以上の高齢者の6人に1人程度が認知症有病者と推計されています。いま人々は認知症についてどの程度の知識を持ち、どんな考えを持っているでしょうか。本調査では、20代から60代の男女を対象にその現状を探りました。

本調査の詳細な報告書は後日MS&ADインターリスク総研オフィシャルサイトで公開する予定です。

1. 調査結果のポイント

  • 認知症は、発症すると生活が著しく不自由なものになる、「最もなりたくない病気」として認識されている。
  • 認知症の予防に関しては「予防できるものがある」という認識と「分からない」と「できない」の認識が拮抗する結果となった。
  • 認知症の発症を高めるリスクについての理解度は低く、認知症の予防については何もしていないとする回答者は半数を超えた。
  • オンラインの認知症予防サービスとして利用意向が最も高かったものは「認知症予防トレーニング(脳トレーニング、ゲーム、クイズ等)」であった。

2. 調査の概要について

(1) 調査時期・対象

2021年1月8日~10日に全国47都道府県の男女計1,000人を抽出しインターネットによる調査を行った。

(2) 回答者の属性

対象者1,000人(男性500人、女性500人)の主な属性は以下のとおり。

① 年齢

男女別に20~29歳、30~39歳、40歳~49歳、50歳~59歳、60歳~69歳、の年齢区分ごとに100人

② 職業
会社員 会社経営・
役員
公務員 自営業・
自由業
団体職員 派遣・
契約社員
パート・
アルバイト
学生 専業主婦・
主夫
無職 その他
34.0% 1.9% 2.6% 7.3% 0.4% 4.4% 12.1% 3.5% 17.3% 16.0% 0.5% 100%
③ 同居家族
一人暮らし 配偶者 父親、母親 息子、娘 息子、娘の配偶者 その他
19.4% 48.6% 32.1% 29.4% 0.4% 0.4% 7.2%
④ 婚姻状況
未婚 既婚 離別・死別
44.7% 49.9% 5.4% 100%

3. 主な調査結果について(抜粋)

(1) なりたくない病気としての認知症

  • 「最もなりたくない病気」として認知症を選んだ回答者は39.3%と、がんを選んだ回答者(36.8%)よりも多く、最も高い値となった。

【図表 1】最もなりたくない病気

単位:%

設問:最もなりたくない病気は何ですか。(ひとつだけ)

(2) 認知症のイメージ(発症するとどうなるか)

  • 認知症を発症すると、現状の生活に比べて著しく不自由になるイメージの回答割合が高く、自宅での生活や、自立した生活ができるという回答割合は低い。

【図表 2】認知症のイメージ

単位:%

設問:認知症についてどのようなイメージを持っていますか。以下の中からあてはまるものをすべてお選びください。(いくつでも)

(3) 認知症の予防

  • 「認知症のタイプにより予防できる」との回答が43.7%と最も多かったものの、「分からない」の回答(29.3%)と、「予防はできない」の回答(10.8%)の合計が40.1%であった。

【図表 3】認知症の予防に関する考え方

単位:%

設問:認知症の発症を遅らせる(予防)方法として、あなたが正しいと思うものをすべてお選びください。(いくつでも)

(4) 認知症予防の取り組み状況

  • 「予防活動は何もしていない」の回答が54.9%と最も多かった。「自宅やオンラインで簡単にできる予防活動があったら取り組みたい」の回答は21.8%にとどまった。

【図表 4】認知症予防の取り組み状況

単位:%

設問:認知症予防に対するあなたの行動・お考えとして、あてはまるものをすべてお選びください。(いくつでも)

(5) 認知症の発症リスクを高める因子

  • この設問では選択肢のすべてが認知症の発症リスクを高める因子に当てはまる。「うつ」の回答が37.8%と最も多かったが、「特にない」の回答が30.7%と二番目に多いという結果となった。

【図表 5】認知症の発症リスクを高める因子

単位:%

設問:認知症を発症する可能性が高くなるものは何だと思いますか。あてはまるものをすべてお選びください。(いくつでも)

(6) オンラインによる認知症予防サービスの利用意向

  • オンラインによる認知症予防サービスとして利用意向が高かったものは「認知症予防トレーニング(脳トレーニング、ゲーム、クイズ等)」(47.8%)であった。しかし、「利用したいものはない」の回答が39.1%と二番目に多い結果となった。

【図表 6】オンラインによる認知症予防サービスの利用意向

単位:%

設問:認知症の発症を遅らせる(予防)ための以下のようなオンラインサービス(スマホ、テレビ、パソコン、タブレット等)があれば利用したいと思いますか。利用したいと思うものをすべてお選びください。(いくつでも)