節水製品の普及がもたらすポジティブインパクト評価サービスの提供を開始
―株式会社TerraInsightとの連携による製品が水循環に与える影響評価の新手法の提案
2026年7月10日
MS&ADインターリスク総研株式会社
MS&ADインシュアランスグループのMS&ADインターリスク総研株式会社(代表取締役社長:宮岡 拓洋、以下「当社」)は、株式会社TerraInsight(代表取締役CEO:今井 義仁)と連携し、「統合水資源管理モデル※1」を活用した節水製品の水循環へのポジティブインパクト評価サービスの提供を開始しました。
本サービスでは、節水機能を持つ製品(以下、節水製品)に着目し、その普及によって水資源や水循環へ与えるポジティブな影響を科学的に分析し、自然環境への効果を定量的に評価します。
1 株式会社TerraInsightが提供する独自サービスの基盤。本モデルにより国内外のあらゆるエリアにおける水の流れや、自然環境の変化を再現することが可能。
1. 背景
2023年9月、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、企業等が自然関連課題(自然への依存・インパクト、自然関連リスク・機会)を評価・開示するための枠組みを公表しました。これを受け、企業には事業活動を通じた環境への負荷や依存を把握し、改善につなげる取組みが求められています。
温室効果ガス(GHG)排出量については、Scope1、2、3の考え方に基づいて、製品・サービスの原材料生産から使用・廃棄に至るまで、バリューチェーン全体で企業がどのような経路でGHGを排出したかを示すことが求められています。最近ではこれに加え、製品・サービスの提供や利用を通じて社会全体の環境負荷低減にどの程度貢献しているか、いわゆる「Scope4」に相当する観点から評価しようとする動きも見られます。水資源についても同様に、事業活動による水利用や影響をバリューチェーン全体で捉えて詳しく評価する手法の検討が進められています。
TNFDへの対応では、単なる情報開示にとどまらず、その先の具体的な取り組みや新たな機会創出につなげることが重要です。しかし、こうした貢献を客観的に示す具体的な手法は、十分に確立されていませんでした。
本サービスは、節水製品の普及による水資源・水環境へのポジティブインパクトを科学的に評価し、企業の環境貢献を具体的に示す新しい手法です。
2. 概要
株式会社TerraInsightが統合水資源管理モデルを基に構築する「統合水資源管理プラットフォーム」は、雨や河川の流れといった自然の水の動きに加え、ダムの運用や農業・工業・家庭での水利用も再現し、水資源を総合的に分析・評価することが可能です。当社はこのデータプラットフォームを活用することで、節水製品が地域の水循環に与える影響を科学的に評価し、対象地域で期待されるポジティブインパクトを明らかにすることが可能となりました。
本サービスでは、まず評価の目的に応じて対象となる節水製品や流域を設定します。製品の販売データや普及率、市場シェア、既存のLEAP分析※2結果なども踏まえ、最適な評価範囲を策定します。次に、節水製品の普及率や将来の人口、水需給、気候変動の進行状況などを考慮したシナリオを設定し、将来の流域像に基づいた評価条件を構築します。
その上で、統合水資源管理モデルを用いて水供給量と水需要量を算定し、節水製品の普及による水循環への影響を評価します。これにより、河川流量や地下水量の回復、渇水リスクの低減、水ストレスの緩和など、地域水資源へのポジティブインパクトを把握します。さらに、評価結果については、情報開示、マーケティング、ブランディングなどへの活用まで一貫して支援し、製品の環境価値を具体的かつ検証可能な形で訴求することを可能とします。
2 TNFDが推奨する、自然との接点を特定し、自然への依存・インパクト、そこから生じるリスク・機会を整理・評価するための一連の評価手法のこと。
株式会社TerraInsightが提供する「統合水資源管理プラットフォーム(日本版)」の画面イメージ

本サービスでは、当該プラットフォーム自体を提供するのではなく、同プラットフォームによる解析結果を連携・提供します。
(参考)株式会社TerraInsightの概要
| 会社名 | 株式会社TerraInsight |
|---|---|
| 所在地 | 京都市左京区吉田本町36番地1 京都大学国際科学イノベーション棟西館104 ベンチャーインキュベーションセンター内 |
| 設立 | 2024年10月 |
| 代表者 | 代表取締役CEO 今井 義仁 |
| 事業内容 | 京都大学防災研究所発のスタートアップ企業で、世界の水資源や水循環に関するリスク情報を掲載する統合水資源管理プラットフォームを提供しています。気候変動を考慮した250年分の独自データベースと統合水資源管理モデルを活用した高解像度・リアルタイム解析により、未観測地域を含む拠点ごとの水資源リスクを科学的に予測・可視化する技術を有しています。 |
以上