~潜在的な危険箇所を評価・抽出して交通事故の発生を未然に防止~
「事故発生リスクAIアセスメント」の販売を開始
2022年11月28日
三井住友海上火災保険株式会社
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
MS&ADインターリスク総研株式会社
MS&ADインシュアランス グループの三井住友海上火災保険株式会社(代表取締役社長:舩曵 真一郎)、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(代表取締役社長:新納 啓介)およびMS&ADインターリスク総研株式会社(代表取締役社長:中村 光身)は、2022年11月より、3社共同で、AI技術を活用して潜在的な交通事故発生リスクを評価・可視化する「事故発生リスクAIアセスメント」の販売を開始しました。
本サービスの提供により、交通事故の未発生場所のリスクを算出し、事故の未然防止に役立てることが可能となります。
なお、交通事故発生リスクの評価・可視化では、同種の研究や地域限定による実証例はあるものの実用化に至っておらず、本サービスの提供は世界初となります(MS&ADインターリスク総研調べ)。
MS&ADインシュアランス グループは、リスクソリューションのプラットフォーマーとして、あらゆる社会課題の解決に貢献し、社会と共に成長していくことを目指していきます。
1. 開発の背景
交通事故による死傷者数は近年減少傾向にありますが、痛ましい死亡事故が発生するなど、依然として死傷者は一定数発生しています。交通安全対策にあたっては、従来のように、交通調査に多大な費用や時間を要したり、実施する対策の客観的な裏づけが難しいなどの要因から、再発防止型対策であることが課題でした。
三井住友海上およびMS&ADインターリスク総研は、豊富な事故対応や交通リスクコンサルティングの経験・ノウハウを踏まえ、交通事故と相関の高い要因のデータを組み合わせて、AIを活用して交通事故発生リスクを評価・可視化する仕組みを構築し、実証実験を行ってきました。
その結果、当社グループが期待する評価基準に到達したため、本サービスを販売することとしました。
2. 「事故発生リスクAIアセスメント」の概要
(1) 概要
実際の交通事故発生箇所だけでなく、道路構造や走行データ(急加減速等)、人流等、事故と相関関係の高い要因のデータを組み合わせ、AIを活用した独自のリスク評価・分析モデルにより、交通事故発生リスクを評価・可視化するサービスです。(特許出願中)
<可視化イメージ>
(2) 特長
- ① 損害保険グループならではのデータ、ノウハウに、事故発生起因性の高いデータ※1を加えた、独自のリスク評価・分析モデル
- ②地点(道路区間・交差点)※2ごとにきめ細かくリスクを数値化(0~1)
- ③色調表示により地図上でわかりやすく可視化
- ④時間帯・対象者年齢等の条件※3による絞り込み表示機能
- ⑤指定エリア内でのリスク降順表示や地図上でのメモ保管等、実務を円滑にする補助機能
- 1 地形(勾配、カーブ等)、道路構造(車線数等)、道路情報(一時停止規制有無、制限速度等)、人口・人流等のデータ。
- 2 道路区間は100m区切りの幹線道路から市町村管理道路までを含み、交差点は信号の有無を問わない。
- 3 時間帯(朝方/昼間/夕方/夜間)、事故被害者年齢層(未成年/成人/高齢者)など。
(3) 自治体向けプラン・販売開始時期等
自治体向けに以下2つのプランを販売します。特長をすべて備えた本格版導入前に、分析手法は本格版と同様としつつ、成果物を一部簡素化した簡易版をご用意しました。
簡易版 | 本格版 | |
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販売開始時期 | 2022年11月 | 2023年7月(予定) |
納品時期 | 2023年4月以降 | 2023年7月以降 |
成果物 | レポート (該当地域における事故発生リスク上位50地点のリスト形式での提供) |
アプリケーション (該当地域における事故発生リスクの地図形式・リスト形式での提供) |
契約・提供形式 | 売切型 | 年間利用契約型 |
販売価格 | 1市町村あたり9万円(税抜) | 1市町村あたり 人口・道路実延長に応じて 30万円~200万円/年(税抜) |
(4) 採用実績
愛媛県のデジタル田園都市国家構想推進交付金事業である「都市リスクの解析等業務」※4、奈良県の大和平野中央田園都市構想推進のための事業として「大和平野中央田園都市構想安全・安心まちづくりコンソーシアム」※5が行う「潜在的事故リスクのAIアセスメントとリスク低減対策の検討」において、本サービスのモデル導入が決定しています。
- 4 MS&ADインターリスク総研の「事故発生リスクAIアセスメント」および三井住友海上の「防災ダッシュボード」を活用し、都市リスク軽減を目的として交通・防災分野におけるデータ集約・解析をパイロット実施する事業です。
- 5 構成企業:八千代エンジニヤリング、MS&ADインターリスク総研および三井住友海上。事故発生リスクAIアセスメントにより抽出した潜在的な事故リスク箇所について予防対策を検討することで、交通事故を未然に防ぐ安全・安心なまちづくりの推進に向けた実証実験を行います。
(5) 事業者向けの販売
今後、さまざまな事業者のニーズに応じて、本サービスを提供していきます。
業種 | ニーズに応じたご提供の切り口 |
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交通事業者 | 最適ルート設計 |
モビリティ・MaaS事業者 | 乗降地点の検討、自動運転ルートの検討 |
地図事業者 | ソリューション高度化に向けた相互支援 |
道路コンサルティング事業者 | コンサルティングにおける協業 |
自動車製造事業者 | ユーザーへの危険事前認知ソリューション高度化 |
貨物・配送事業者 | 配送ルート最適化、事故削減取組支援 |
電動キックボード事業者 | ユーザーの安全運転向上に資するソリューション |
スマートシティ関連事業者 | 安心・安全なまちづくりに向けた支援 |
3. 今後の展開
当社グループは、交通安全を支援する各種サービス・ソリューションを提供しており、今後、三井住友海上が提供する「通学路安全支援システム」やあいおいニッセイ同和損保が提供する「交通安全EBPM支援サービス」と組み合わせ、それぞれの強みを活かした統合サービスの提供等も検討していきます。
以上