「健康経営実態調査2020 -ヘルスリテラシー向上の取組み-」について
2020年7月20日
MS&ADインターリスク総研株式会社
MS&ADインシュアランスグループのMS&ADインターリスク総研(社長:中村 光身)は、健康経営優良法人の認定企業を対象に、健康経営の取組実態に関する調査を実施しました。
近年、健康経営への関心が高まり、各法人で多様な取組みが行われています。そうした取組みにおいて、ヘルスリテラシーの向上は大きな課題の一つです。この課題と関連が深い健康経営の目的や目標設定、取組施策の内容や工夫に関する調査結果を報告書にまとめ公開しています。
1. 実施概要
調査方法 | 質問紙郵送法(人事総務部門等の健康経営推進担当者宛) |
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調査対象 | 健康経営優良法人2019認定法人 3,179社 全認定法人3,318社のうち、公開情報で住所が確認できた法人が対象 |
有効回答数 | 1,148社 |
回答率 | 36.1% |
回収期間 | 2020年1月14日~2月3日 |
2. 調査結果概要
(1) 経営戦略・経営課題とひもづけたうえで健康経営の推進を行っている法人は、そうではない法人と比較して以下のような違いがあり、成果が表れやすくなっていることが分かった。
- ・目的:
- 「従業員の働きがいの向上」「理念・ビジョンの実現」を目的としている法人が相対的に多く、「人材の確保」「健康経営優良法人の認定取得」を目的としている法人は少ない傾向にあった。
- ・成果:
- 「健康への関心・意識」「健康を意識した活動」「健康経営の意味・意義の理解度」「部門間コミュニケーションの活性化」といったポジティブな変化がより大きい傾向にあった<図1>。
<図1> 健康に関する従業員の変化(経営戦略・経営課題とのひもづけ)
(2) 健康経営において最も重視する目標は「①生活習慣改善」「②ワークエンゲージメント」「③幸福度」の3つに約7割が集中していた。また、これら目標のタイプによって、取組みの目的やテーマ等に異なる傾向が表れた<表1>。
<表1> 健康経営の目標タイプ別の傾向
①生活習慣改善型 | ②ワークエンゲージメント型 | ③幸福度型 | |
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割合 | 20.0% | 29.5% | 18.9% |
法人規模 | 法人規模に関係しない | 中小規模法人に多い | |
経営課題 | 安全衛生の維持向上 | パフォーマンス向上 | 人員確保/経営理念実現 |
健康経営の目的 (上位3つ) |
働きがいの向上 62.2% パフォーマンスの向上 52.2% 安全衛生の維持・向上 47.8% |
働きがいの向上 75.2% パフォーマンス向上 58.7% 人材の確保 36.9% |
働きがいの向上 76.0% パフォーマンス向上 47.5% 人材の確保 32.6% |
対象として意識する従業員 | 健診で所見ありの従業員/予備軍含めて生活習慣病の従業員 |
(左記①に加えて) 女性従業員 |
(左記①に加えて) 健康な従業員 |
共通して多い*1 取組テーマ |
生活習慣病の予防 / 喫煙 / 運動 / メンタル対策
*1 : 3タイプ共に50%以上 |
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特徴的な 取組テーマ |
食事 |
コミュニケーションの改善 ワークライフバランス 女性の健康 |
コミュニケーションの改善 ワークライフバランス 病気と仕事の両立支援 |
(3) 従業員規模や業種によって、健康経営の目的や取組みの方法・テーマに異なる傾向が表れた<表2>。
<表2> 基本属性による傾向
属性 | 傾向 | |
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従業員規模 | 大規模 |
健康経営の目的に「パフォーマンス向上」が多い 推進課題も取組みの種類・工夫の数も多い |
中小規模 |
健康経営の目的に「人材確保」が多く、「幸福度」重視も多い 社長からの発信が多く、参加率も高い |
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業種 | 運輸業 | 生活習慣の改善を目的に、肩こり・腰痛、食事、睡眠等の取組みが多い |
製造業 | 働きがい・パフォーマンス向上を目的に、ワークを取り入れた取組みが多い | |
金融業 | ワークエンゲージメント向上を目的にコミュニケーションの改善に向けた取組みが多い | |
サービス業 | プレゼンティーイズム改善・離職率改善を目的にワークライフバランスを意識した取組みが多い |
3. 調査報告書
MS&ADインターリスク総研の以下オフィシャルWebサイトにて公開しています。
以上