コンサルタントコラム

お客さまニーズを捉えた安全運転セミナーを追求する

[このコラムを書いたコンサルタント]

専門領域
交通RMコンサル
役職名
リスクマネジメント第二部 名古屋事務所 シニアコンサルタント
執筆者名
金子 英之 Hideyuki Kaneko

2020.12.8

ながら運転、あおり運転、高齢者や子どもに関係する悲惨な事故等、本来であれば交通ルール・マナー等を互いに守りながら、公共の場所を安全に、気持ちよく一緒に利用すべき交通パートナー間での、様々な交通事故が最近話題となっている。

私は、企業の交通安全に向けたセミナーの講師を担当しているが、多くのお客さまは、多様化する新たな交通リスクに真摯に向き合い、安全を願い、「安全運転セミナー」の依頼をいただく。講師の私は、「交通事故ゼロ社会」を願い、可能な限り具体的に、お客さまのご希望に沿う内容で効果につなげるよう日々取り組んでいる。

講師を担当して約2年が経過するが、この間、お客さまから「ながら運転の危険性」や「あおり運転への対処方法」について講演要望を何度もいただいた。「携帯電話のながら運転」は、自動車だけでなく、歩行者・自転車にも目立ち、これを原因とする重大事故のニュースも聞く。狭い歩道を通行中の歩行者の脇を、背後から無謀な速度ですり抜ける自転車も見かけるが、あれは「自転車版あおり運転では?」と、感じる。我々が安全運転セミナーの対象としている交通パートナーは、危険な自転車等の増加と共に、従来の自動車をメインとするものに加え、範囲が拡大している。さらには、拡大に加え、交通リスクも多様化している。

この記事の執筆中にも「自転車通勤の危険」というテーマでの講演希望をいただいた。先日は「運送会社で働く外国人運転者への事故時の対応を含めた安全指導」や「デリバリー自転車の運転行動の予測と対処方法」というものがあった。「危険と対策を具体的に、かつ腹落ちできる内容で」セミナーを実施するには、参考文献や各種情報収集に加え、私の場合は、日常生活における交通パートナーの行動観察と、その観察に基づく安全対策の検討を重視している。行動観察を深めることで自身の感度も変わり、様々な発想が浮かんでくる。

さて、話は変わるが、新型コロナウイルス感染症が社会を大きく変えた。人々の移動や行動が変化したことで、交通リスクの内容も影響を受け、実施要請を受けるセミナーのテーマも変わってきた。運転中の私の興味は自然と、街中を疾走する自転車やスーツ姿の自転車の行動パターンに注がれる。公共交通の安全を維持するためのルールやマナーの遵守状況はもちろん、背負う荷物の重さは何キロ位だろうか?、運転の安定性は確保されているだろうか?、雨の日はどのような運転傾向があるのだろうか?、視界や路面状態に危険はないだろうか?、どのような地域で交通リスクが集中するのか?等々、自身の安全運転にも留意しつつ、交通安全を願いながらセミナーのネタ探しには余念がない。

私たちの願いは「交通事故ゼロ社会」。

今後も時代とリスクの変遷と共にお客さまニーズも多様化すると思うが、「現場の生きた状況・情報」をもとに、誰にでも分かりやすく、具体的な安全対策をお客さまにご提供し続けることで、「交通事故ゼロ社会」を目指していきたい。

以上

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