コンサルタントコラム

所属
リスクマネジメント第一部 リスクエンジニアリンググループ
役職名
アシスタントマネジャー
執筆者名
満岡 顕 Akira Mitsuoka

2020年11月10日

近年、大型の台風が多数発生しており、我々の生活に大きな影響を与えている。大型の台風の襲来により、大雨による河川の氾濫や内水氾濫による浸水被害、強風による建物・構築物の破損が多数発生している。

電気設備に関する物的損害およびその損害による社会への影響を考えると、地下や低層に設置されている電気設備への浸水による被害や、鉄塔や電柱の倒壊、飛来物や樹木の枝等による電線への被害、また個々の電気設備の被害が発生する。これらの電気設備の損傷により停電が発生し社会活動の大半が停止することになる。建築物の場合、停電により使用不能となる主な設備は、エレベーター、水を供給するための揚水ポンプ、地下排水槽から下水へ汚水を排出する排水ポンプ、機械式駐車場の機械設備、照明設備、空調設備等が停止する。これに加えオフィスでは事務機器等も使用ができなくなり、家庭では調理等を行うことができなくなり、事業および生活に非常に大きな影響を与えることになる。

電気設備は水災や風災などの自然災害に弱いため、できる限り安全な場所に設置することが望ましい。建屋内かつ浸水のおそれがないような場所であること、電柱や電線などは地下に埋設するなどして樹木や強風による飛来物などによる影響のない箇所に設置することが重要となる。一方、日常の点検や災害時の復旧、災害時の非常用設備の設置が容易となるような設置方法を考慮することも忘れてはならない。

一般的に設備の増設や改修は多大なコストが発生する。したがって、災害に備える電気設備を構築するためには、長期的には設備の移設やハードウェア面の増強を計画しつつも現状行える対策としては、まずは日常点検や管理体制の強化をお勧めする。日常点検の内容は日ごろからこまめに目視点検などを行い、異常の早期発見により重大な故障に繋がらないように努めることが重要である。日常点検を漏れなく行うことで、設備の異常時に故障箇所の特定が容易となるからである。さらに、管理面では、消耗しやすい部品や入手困難な部品などをリストアップし、異常時に素早く部品交換などの対応ができるような管理体制をとることや、非常時に設備を復旧できる人材を素早く確保できる連絡体制を構築することをお勧めする。被災しないように努めること。仮に被災したとしても、素早く復旧できるようにすること。この2点が災害に強い電気設備の管理体制を構築するポイントである。

電気設備は、普段我々が何気なく使用している電気を供給する重要な設備であり、我々の仕事や生活を支える縁の下の力持ちである。したがって、年に1回程度行われる電気設備の定期点検時にはできる限り点検業者任せとせず、点検時に立会い、実際に自分の目で見て、どのようなものが使用されていて何が重要であるかなどを確認することをお勧めする。電気設備は一見すると無機質なものであるがその重要性は計り知れず、そこから得られる恩恵は多大なものである。普段から関心を持って接してみることを是非お勧めしたい。

以上

(2020年11月5日 三友新聞掲載記事を転載)

満岡 顕 Akira Mitsuoka
氏名
満岡 顕 Akira Mitsuoka
役職
リスクマネジメント第一部 リスクエンジニアリンググループ アシスタントマネジャー
専門領域
火災リスク、電気設備(管理)、知的財産(電気機械)

コラムカテゴリー