レポート

地球環境との共生(Planetary Health)にむけて 原口真 (登壇:長崎プラネタリーヘルス専門家会合)リサーチ・レター2023年第1号

2023.8.1

本稿では、2023年5月12日に開催された長崎大学、日本医療政策機構 共同主催「長崎プラネタリーヘルス専門家会合」における、『パネルディスカッション2 「プラネタリーヘルス 包括的な視点で日本社会が取るべき対策」について』に登壇した、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)メンバーであるMS&ADインターリスク総研 基礎研究部 フェロー/MS&ADインシュアランスグループホールディングス TNFD専任SVP 原口真のコメントについて紹介する。

1. イントロダクション

2021年に発足したTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のメンバーとして、自然と金融の関係を世界共通に評価するための「ものさし」をつくる活動をしており、本年9月に最終提言を公表予定である。2017年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が最終提言を公表して以来、パリ協定達成のための金融の流れが加速したことが、自然についても起こると考えられている。こうした観点で、本日はヘルスケア分野の方々にメッセージを届けたい。

2. ディスカッション

<モデレーター 質問1>
生物多様性や環境汚染の問題はローカルから始まる。その地域のみで収束する場合もあれば、病原体のインパクトが世界に波及する場合もある。こうしたローカルとグローバル、あるいはローカルとドメスティックの問題について、ご意見を伺いたい。

<回答1-A>
日本の産業セクターは、おそらく世界で最も大きく自然資源の輸入に依存しており、トレーサビリティ1の確認に困難を伴う。

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