レポート

第2号 「高齢者の自動車運転に関する実態と意識について」

2019.12.1

要旨

  • 自動車運転に対する自信は高齢になるほど高くなるが、2017年に実施した前回の調査結果に比べて全般的に低くなっている。
  • 運転免許証の返納を検討したことがあるとする回答数の割合は、高齢になるほど高くなる。返納を検討する主なきっかけは、「高齢者による重大事故のニュースを耳にした」ことである。
  • 運転免許証の返納を検討したが返納しなかった主な理由は「他の移動手段もあるが不便なため」である。
  • 半数近くの回答者が「高齢者向けの安全運転支援機能付き自動車を前提とした免許証」があれば、それを取得して自動車運転を続けたいと答えている。

1. 背景

警察庁によれば、2018年末時点での我が国の運転免許保有者数は約8,231万人となっており、この30年間で約2,500万人増加している。そのうち70歳以上の運転免許保有者はこの期間で109万人から1,130万人と10倍以上に増加している。

高齢運転者はその認知機能の衰えから、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど操作ミスによる事故を起こしやすいとされており、2009年6月の改正道路交通法によって75歳以上の高齢運転者に対する免許更新時に認知機能検査を実施することとなった。しかし、75歳以上の高齢運転者による交通死亡事故数は、2007年の年間410件から減少する気配はない。

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