レポート

「福祉施設における新型コロナウイルス(新型肺炎)感染対策について」

2020.5.1

要旨

  • 感染リスクの高い福祉施設 において、感染者が発生した場合の対応事項の流れを整理、解説した。
  • 特に感染者及び濃厚接触者が発生した場合、施設・職員が行うべき実施事項は多岐にわたり、且つナーバスな対応が求められるため、あらかじめ準備しておくことが必要である。
  • 個別のケア場面 における留意事項から消毒方法など詳細に示した。

1. 福祉施設における新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の感染状況について

国内における新型コロナウイルス感染症は2020年1月16日に初めての感染者が確認されてから、わずか3か月ほどで1万人を超えた。国内の福祉施設における感染状況についても高齢、障害、児童、保育分野のいずれの事業種別でも既に感染者が確認されており、クラスターに繋がった事例も報告されている。5月14日時点で一部の地域を除いて緊急事態宣言が解除され、感染拡大は抑制されつつあるものの、各福祉施設においては引き続き利用者・職員の健康管理及び感染対策の徹底が求められるところである。

新型コロナウイルス感染症の感染予防として右図に示した3つの密な状況を避けることが推奨されているが、福祉施設はその構造的に「密集」「密接」を避けることが困難な環境である。また、利用者は基礎疾患を有していることが多く、体力が少ない方も多いため相対的に免疫力が低いと考えられることから、利用者は感染リスクや重症化リスクが常に高い状況に置かれているという点に留意されたい。

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