レポート

第5号「大企業・中小企業に求められる人権取組み」

2019.2.1

本号の概要

  • 本レポートでは、ビジネスと人権に関する日本の国別行動計画(NAP)策定に向けたベースラインスタディの状況などから、今後想定される企業への影響とその対策について解説する。
  • 昨年12月に外務省が公表したベースラインスタディ報告書では、ビジネスと人権に関する複数のテーマに沿って日本の現状と課題について関係者による議論を行った結果が示されており、公共調達や中小企業にも大きな焦点が当てられている。
  • NAPの具体的な内容は今後策定されるが、地方への人権取組み浸透を実現する上で公共調達は大きな鍵となる。また、外国人技能実習生の問題が報道などで昨今取り上げられたことで、中小企業の人権リスクも注目を集めており、大きな検討課題となるだろう。
  • NAPがもたらす状況変化に対し、企業は国連「ビジネスと人権に関する指導原則」を踏まえて、人権方針の策定、著しい人権リスクの評価・対策を行う必要性がますます高まるだろう。

1.スタートした日本の国別行動計画(NAP)の策定プロセス

2011年に策定された国連「ビジネスと人権に関する指導原則」では、企業にサプライチェーンを通じた人権リスクへの対応を求めており、自社のみでなく、サプライヤーなどの取引先における人権リスクの管理も企業の責任としている。これを踏まえて、グローバルな事業展開を行う企業は、バリューチェーン全体における人権取組みを進めている。

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