レポート

第83号「平成30年7月豪雨による被害状況と企業の水害対策」

2018.8.1

今回の水害では広域かつ長時間の大雨によって広い地域で甚大な被害が発生し、現地では行方不明者の捜索や復旧対応に現在も追われています。大雨による災害で死者・行方不明者数が100名を超えたのは、昭和58年7月豪雨以来の事象であり、事実上平成昀悪といえる近年まれにみる水害といえます。本稿では、現時点で判明している災害概要および弊社による被災地の調査を踏まえた企業の水害対策のあり方を考察します。

1.災害の概要

(1)気象概況

「平成30年7月豪雨」の大雨の特徴については、気象庁から7月13日に速報1)が発表された。これによると6月28日0時~7月8日24時の降水量は、四国地方では1800mm、東海地方では1200mmを超えており、西日本のほぼ全域にわたって多量の降雨がもたらされた。また上記期間降水量と平年値(7月)との比較図では、ほとんどの地域で7月1か月の雨量が11日間でもたらされ、四国地方から瀬戸内、近畿にかけてと東海地方では2倍以上であったことが示されている。

(2)被害状況

消防庁がまとめている全国の被害状況は次の通りである。

被害が特に甚大だったのは広島県・岡山県・愛媛県の3県であり、次いで福岡県・京都府、さらには高知県・山口県・兵庫県・岐阜県など非常に広域な範囲に及んでいる。

会員登録で レポートを全て見る