リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / 災害リスク情報

2020.9.10

令和2年台風10号に対する企業の防災対策

要旨

  • 2020年9月6日から7日にかけて台風10号が西日本に最接近し、九州をはじめとする西日本での強風被害が広域に発生しました。被害に遭われた皆様には、心からお見舞い申し上げます。
    本災害では台風が最接近する数日前から気象庁から事前の警戒が強く発信されたことをはじめ、関係省庁や交通機関等の事前の情報発信が盛んに行われたことも特徴的でした。
    本稿では上記の各種事前情報を受けた企業の防災対策、特に事前対策の判断や実施の時間軸について考察しました。
    なお、本レポートは2020年9月9日17時時点の情報に基づいて作成しています。

1.被害の概要

現時点で判明している台風10号の被害状況を表1および2に示す。本台風では、大雨に伴う河川災害や土砂災害の発生箇所数は少なく、堤防決壊等の大規模な災害を引き起こす事象も報告されておらず、 被害としては強風によるものが顕著であったと考えられる。特に台風の暴風域内であった九州のの7県では、住家被害の発生量は判明していないものの、人的被害の人数では他の地域よりも多くの方が被災されている。

また消防庁が取りまとめている重要施設の被害報告では、鹿児島市の石油コンビナートにおいて、屋外タンク上部からの原油の漏えい(漏えい量約100L、施設外漏えいはなし)が報告されているが、報告件数はその1件のみにとどまっている。 インフラ関連の被害では、電力の供給中断戸数が最も多く、九州電力管内における最大供給支障戸数が約47万6千件であった。

災害リスク情報

火災・風災・洪水・地震等の災害に関するテーマについて、わかりやすく解説しています。
(A4数枚、不定期発行)