リスク情報・レポート

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2018.9.12

平成30年台風第21号の概要と高潮対策

平成30年台風第21号(以降、本台風と表記)は、2018年9月4日12時頃に非常に強い勢力を保ったまま徳島県に上陸後、神戸に再上陸し近畿地方を縦断、日本海を北上しました。本台風は、近畿地方を 縦断時に記録的な高潮と強風を伴い、かつてない多大な被害をもたらしました。

本台風により被害を受けられた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
本稿では、本台風の概要(9月11日時点の情報)を速報するとともに、大阪湾沿岸に観測史上最高 の潮位をもたらした高潮の特性や企業が高潮に対して備えるべき事項について解説します。

1.気象概要

本台風の進路(図1)は、過去、近畿地方に最も大きな被害をもたらした第二室戸台風(1961年9月15日~17日)の進路(図2)と同様の進路であることがわかる。そのため、数日前から気象庁やマスコ ミを通じて厳重警戒をしていたものの被害を免れることはできなかった。その原因として強風と高潮があげられる。強風は、本台風の接近・台風に伴って近畿地方を中心として北日本にかけて観測史上1位の最大風速を更新している観測点(図3)が多数みられた。また、高潮は、これまでに観測された最高潮位を更新する地点(図4)が複数あったことがわかる。

大阪、神戸いずれの観測点においても、高潮警報基準に加え、観測史上1位の第二室戸台風襲来時の潮位を超えた。警報基準を超過している時間は、いずれの観測地点も1時間程度あった。

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(A4数枚、不定期発行)