リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / ESGリスクトピックス

2022.2.1

ESGリスクトピックス<2021 No.11>

今月の主なトピックス

Environmental-環境-

<生物多様性>
CDSB、生物多様性に関する財務情報開示ガイダンスを発行

CDSB*は11月30日、企業などによる生物多様性関連の財務情報開示を支援するために「生物多様性アプリケーションガイダンス」を公開した。本ガイダンスは、投資家への気候変動および環境に関連する情報開示の 標準化を目的に発行してきた「CDSBフレームワーク」を補完するものであり、TCFD**の推奨事項を気候だけではなく「自然」にまで拡張することを目的としている。

本ガイダンスでは、企業と生物多様性の相互関係などを解説した上で、「ガバナンス」、「環境に関する方針、戦略、目標」、「リスクと機会」、「環境に対するインパクトの原因」、 「パフォーマンスと比較分析」、「将来の見通し」という6つのセクションに沿って、企業の情報開示の手順を説明している。

(参考情報:2021年11月30日付CDSB HP

(参考情報:2021年11月30日付CDSB Framework Application guidance for biodiversity-related disclosures

<循環経済>
UNEPFI、銀行向けに「資源効率と循環経済の目標設定に関するガイダンス」を発行

国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEPFI)*は12月8日、国連責任銀行原則(PRB)**の作業部会と共同で「資源効率と循環経済の目標設定に関するガイダンス」を発行した。同ガイダンスは、銀行が資源効率の高い 循環的なプロジェクトや顧客に資金を提供するための目標設定の方法を、段階的かつ包括的に記載している。また、先進的な銀行の取り組み事例も一部紹介している。

(参考情報:2021年12月8日付UNEP FI HP

<気候変動>
欧州委員会、持続可能な交通システムに移行するための4つの提案を採択

欧州委員会は12月14日、欧州グリーンディール*の一環として、欧州の交通システムをより効率的かつクリーンなシステムに移行するため4つの提案を採択した。具体的には、①TEN-T計画**の促進、 ②長距離および越境鉄道輸送の増加に向けたアクションプランの実施、③自動運転などの新しい道路交通手段に適応するためのITS***の構築、④混雑・排ガス・騒音等の都市交通の課題解決を志向した 都市型モビリティ・フレームワークの策定が示された。本取組みにより、輸送部門の温室効果ガス排出量を1990年比で90%削減を目指すとしている。

(参考情報:2021年12月14日付欧州委員会 HP

Social-社会-

<環境>
環境省が、カーボンニュートラル達成に向けた脱炭素先行地域の募集を開始

環境省は12月4日、「脱炭素先行地域」の募集を始めた。同地域は、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、所定のセクターで電力消費に伴うCO2排出量の実質ゼロ化などを目指すもの。 22年春には少なくとも100カ所を選定。25年度までに各地域の特性をふまえた脱炭素取り組みを検討し、30年度までに実行する流れ。同省は募集要領と併せて、制度の概要や選定プロセスを説明したガイドブックも公開した。

(参考情報:2021年12月4日付環境省 HP

<人権>
経団連が企業行動憲章実行の手引きを改定、人権取り組みの指針を拡充

経団連は12月14日、企業の人権取り組みの指針を大幅に拡充した「企業行動憲章実行の手引」の改定版を公表した。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」への対応や企業による人権尊重の重要性が高まっていることなどを受けたもので、 人権尊重に関する企業の責任の明記などが主なポイント。同時に、「人権を尊重する経営のためのハンドブック」をリリース。人権デュー・ディリジェンス実施上のポイントなどを盛り込んだ。

(参考情報:2021年12月14日付経団連 HP

<人権>
米上院が新疆ウイグル自治区の禁輸法案を可決、施行後8年間有効

米連邦議会上院は12月16日、中国・新疆ウイグル自治区からの輸入を原則禁止する法案を超党派で可決した。法律は施行後8年間有効。強制労働で作られたものではないとの明確な証拠がある場合に限り、 同地域からの輸入が可能になる。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が今後、強制労働を行っているという施設や製品(分野)のリストや輸入者へのガイダンスを策定する。

(参考情報:2021年12月23日付米国議会 HP

Governance-ガバナンス-

<環境>
欧州委が環境犯罪の厳罰化へ指令案を採択、人が死亡の場合は懲役も

欧州委員会は12月15日、環境犯罪の刑罰を懲役刑含め厳罰化するEU指令案を採択した。環境犯罪の定義(違法な木材取引や船舶リサイクル、取水など)を明確化。さらに、人を死に至らしめる、またはその可能性がある犯罪には、 10年以下の懲役刑のほか、自然の回復義務、公的資金からの排除などの追加的な行政処分も提案した。今後、欧州議会とEU理事会で審議する。

(参考情報:2021年12月15日付欧州委員会 HP

<ガバナンス>
監査役協会が、コロナ禍踏まえ「ハイブリッド監査」の推進などを提言

日本監査役協会のケーススタディ委員会は12月20日、コロナ禍での監査役等による監査活動の実態や課題などをまとめた報告書を公表した。報告書は「企業におけるコロナ禍の影響および監査役等の監査活動の変化について」で 会員企業のアンケート結果(回答1429社)に基づき作成。その中で、リモートと現場往査を補完的に活用する「ハイブリッド監査」の推進を提言するとともに、実施上の留意点や工夫を示した。オンライン会議やヒアリングなどの リモート監査を多くの企業が導入する一方、情報の質・量などが課題に挙がっていた調査結果を踏まえた。また、回答で得られた参考事例も盛り込んだ。

(参考情報:2021年12月20日付日本監査役協会 HP

<ガバナンス>
文科省が私学ガバナンス改革で、理事会・評議員会などのあり方見直しの方針を公表

文部科学省は12月21日、私立学校ガバナンス改革に関して、不正・違法行為の是正や監督機能の強化などを目的に理事会や理事、評議員会・評議員のあり方を見直す方針を公表した。同3日に公表された文科省の有識者会議の報告では、 理事に対する監督・けん制を重視し、評議員と理事や職員との兼任を認めない、評議員会を最高監督・議決機関に改めるなどの提言があった。それに対して、私学関係者から教育研究への影響などについて強い懸念が寄せられていた。 今後、関係者の合意形成を図る場を設け、成案を得られ次第、速やかに法案の提出を目指すとしている。

(参考情報:2021年12月21日付文部科学省 HP

<情報開示>
金融庁がサステナビリティ情報の好開示事例集を公表

金融庁は12月21日、新たに「サステナビリティ情報」に関する開示の好事例を取りまとめた「記述情報の開示の好事例集2021」を公表した。「気候変動関連*」と「経営・人的資本・多様性等**」に係る企業の開示例について、 投資家・アナリストなどが好事例として着目した箇所などにそれぞれコメントを記載して紹介した。

(参考情報:2021年12月21日付金融庁 HP

全般・その他

<社会的インパクト>
国内金融機関21社、環境・社会課題解決を目指す「インパクト志向金融宣言」に署名

国内金融機関21社は11月29日、環境・社会課題解決に向けた投融資判断の実践を推進するイニシアティブ「インパクト志向金融宣言」に参加・署名した。同イニシアティブは、投融資先の生み出す環境・社会への変化をとらえ て環境・社会課題を解決するという考え方(インパクト志向)を追求。各署名機関におけるインパクト志向の投融資やインパクト測定・マネジメント(IMM)の実施に加え、ベストプラクティスや推進上の課題の共有・議論、 調査研究、他金融機関への波及に向けた活動、海外イニシアティブへの参加・情報発信等を通じて、国内金融業界におけるインパクト志向の投融資の自律的・持続的発展を目指す。

(参考情報:2021年11月29日付インパクト志向金融宣言 HP

今月の『注目』トピックス

<SDGs>
政府が「SDGsアクションプラン2022」を公表

(参考情報::2021年12月24日付首相官邸 HP

政府の持続可能な開発目標(SDGs)推進本部は12月24日、「SDGs アクションプラン 2022」を公表した。

「SDGs アクションプラン」は、同本部が制定したSDGs実施指針(2016年制定、2019年改定)に基づき、2030年までの目標達成に向け定めた「優先課題8分野」における政府の具体的な年次施策・予算額を整理・見える化したもの。 2022年版は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により日本国内で顕在化している様々な問題(経済格差の拡大、子どもの貧困化等)や、DXによるデジタル化・カーボンニュートラル実現に向けた技術・社会動向の急速な進展など、 SDGsの諸課題を巡るダイナミックな環境変化を踏まえ策定された。

Q&A

Question

2021年10月にCOP26(気候変動枠組条約第26回締約国会議)が開催されました。今回のCOPの特徴や注目ポイントはどのような点でしょうか。

ESGリスクトピックス(旧:CSR・ERMトピックス)

国内外における主なトピックスを、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)ごとに紹介しています。
(A4数枚、毎月発行)