レポート

ESGリスクトピックス 2018年度 No.7

2018.10.1

国内トピックス2018年7~8月に公開された国内のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<BCP>
町田市が認可保育所・幼稚園等災害対応ガイドラインを策定

(参考情報:2018年7月25日付 同市HP)

町田市は7月25日、認可保育所をはじめとした保育施設の他、幼稚園も対象とした災害対応ガイドラインを策定したことを発表した。

本ガイドラインは、地震や水害などの発生時に子どもの安全を確保するため、マニュアル策定のポイントや災害発生前後で必要な対応をまとめたものであり、子供ならではの特性、子供を取り扱う施設の特性を踏まえた内容となっている。たとえば、災害を想定した日頃の備えとして、非常用の持出袋には哺乳瓶や紙オムツ、アレルギーに対応した食品等を、備蓄品には子どもの不安を取り除くために絵本やドロップ等を用意すべき、といったヒントや、園内の安全環境を確認するためのチェックリストや職員の災害時の役割分担表等も例示している。

<環境>
すかいらーくがグループ全体でプラスチックストローを廃止へ

(参考情報:2018年8月17日付 同社HP)

すかいらーくホールディングスは8月17日、海洋汚染防止に対応するため、海外店舗を含むすかいらーくグループの全業態において、2020年までに使い捨てプラスチック製ストローの使用を原則廃止することを決定した。

まずは第1弾として、全国で約1,370店を展開するレストラン「ガスト」で、ドリンクバーに常備しているプラスチック製ストローの使用を2018年12月までに廃止する。さらに、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックまでに、全業態での使用を順次廃止して行く予定とのことである。

<事業継続>
大阪府が大地震の発生時間帯に応じた企業の対応指針案を公表

(参考情報:2018年8月31日付 同府HP)

大阪府は8月31日、今年9月中に「事業所における『一時帰宅の抑制』対策ガイドライン」*を改正し、通勤時間帯など発災時間に応じて企業がとるべき対応の基本ルールを盛り込む計画を明らかにした。

改正ガイドラインでは朝・夕の通勤時間帯に発災した場合は、原則的に自宅や職場での待機を指示することを求めている。交通機関が運行停止になった場合の混乱を防ぐことが主な目的。

海外トピックス2018年6~8月に公開された海外のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<環境>
CalPERSが森林破壊に関する投資方針を策定

(参考情報:2018年6月18日施行 同社Total Fund Investment Policy)

カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)*が6月18日に施行した「全ファンド投資方針」の中で、州の年金基金としては初めて森林破壊が掲げられた。

新たな同方針では、企業が環境に与える影響として「排出、汚染、廃棄、生物多様性の損失、森林破壊等の生態系の劣化」が挙げられ、企業はこれらの課題に関連するリスク・機会を認識し管理すべきとされている。この方針のもと、同基金の全投資先企業の森林破壊リスク評価を実施する。

<SDGs>
米ジョンソン・エンド・ジョンソンがNGOから男女平等の先進企業の認定を受ける

(参考情報:2018年8月22日付 同社HP)

米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは8月22日、男女の格差解消を目的に活動する国際NGOのGender Fair* より、男女平等を実現するための高水準の取り組みを行う企業として「Gender Fair」の認定を受けたと発表した。

現在、フォーチュン500にランクインする企業のうち、この認定を受けているのは16%のみ。その中でも、同社は上位7%に入り、また食品・医薬業界では最上位の評価を受けた。認定企業には、同社のほか、米JPモルガン・チェース、米マイクロソフト、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などがある。

<労働慣行>
マイクロソフト、全米のサプライヤーに対し有給育児休暇制度の整備を義務化

(参考情報:2018年8月30日付 同社HP)

マイクロソフトは8月30日、米国内のサプライヤーに対し、有給育児休暇制度の整備を義務化すると発表した。同社のサプライヤーは、今後1年以内に、子供を持つ従業員に対して12週間以上(週あたり最大1,000ドルの給付)の有給育児休暇制度を整備することが求められる。

有給育児休暇の付与は、従業員の離職率の低下や士気の高まり、生産性の向上などのメリットがある一方で、米国の民間企業の労働者の13%しか取得していない現状にある。

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