リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / CSR・ERMトピックス

2018.9.3

CSR・ERMトピックス<2018 No.6>

国内トピックス2018年7月に公開された国内のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<SDGs>
一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンがSDGs日本企業調査レポート「未来につなげるSDGsとビジネス~日本における企業の取組み現場から~」の英語版を公表

(参考情報:2018年7月5日付 同組織HP)

一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(以下、「GCNJ」)と公益財団法人地球環境戦略研究機関(以下、「IGES」)は7月5日、2018年3月に公表したSDGs日本企業調査レポートの英語版を公表した。企業全体のSDGsの取組み動向を示すレポートは本レポート発行以前に例がなく、国内のみならず、海外での反響も大きかったことから、今回の英語版の公表に至った。

<コンプライアンス>
政府が公益通報者保護法改正項目の中間整理を発表

(参考情報:2018年7月18日付 消費者庁HP)

公益通報者保護法の改正内容を検討している内閣府の消費者委員会は7月18日、改正の具体的項目の中間整理を公表した。

それによると、公益通報者に不利益な取扱い(全く経験がない部署への配置転換や解雇など)をした事業者について、是正勧告に従わない場合は社名を公表する措置の導入で合意。一方で、刑事罰をともなう「是正命令」の導入は引き続きの検討課題にした。

<労働慣行>
政府が改正「過労死防止大綱」を閣議決定

(参考情報:2018年7月24日付 厚生労働省HP)

政府は7月24日、過労死防止施策の基本となる「過労死対策大綱」の改正版(以下「新大綱」)を閣議決定した。新大綱では、勤務間インターバル制度*の導入企業の割合を2020年までに10%以上とするなど各対策の数値目標が拡充された。

勤務間インターバルのほか、職場のストレス相談や職場のストレスチェック結果の集団分析の実施で数値目標が新たに設定された(詳細、表1参照)。

海外トピックス2018年6~8月に公開された海外のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<ESG投資>
国際取引所連合、ESG報告ガイダンスにSDGs・TCFD等を盛り込んで改訂

(参考情報:2018年6月27日付 国際取引所連合HP)

世界の主要証券取引所らが加盟する国際機関「国際取引所連合(以下、WFE)」は、6月27日にESG報告ガイダンス改訂版(以下、ガイダンス改訂版)を公表した。

2015年、初版のESG報告ガイダンスの公表以降、SDGsやTCFDなど企業や社会の持続可能性をめぐる背景は大きく変わった。投資家団体の意見や市場のESG報告に関する知見が一定集まったこと等から、より有効で精度の高いESG情報開示に向け、ガイダンスが修正された。WFEは取引所に対して、適切な市場ではガイダンス改訂版を基準文書とみなすべきとしている。

<CSR調達>
Initiative for Responsible Mining Assuranceが責任ある鉱業のための基準を発表

(参考情報:2018年6月28日付 同団体HP)

Initiative for Responsible Mining Assurance*は6月28日、責任ある鉱業のための基準「Standard for Responsible Mining」の確定版を公表した。

この基準は、鉱山などにおいて環境・人権・社会の各側面に配慮した方法で産出されているかを検証することが目的。石油やガスなどのエネルギー燃料を除くすべての鉱物や金属を産出する様々なタイプの大規模採掘場(表面、表面下および溶液採掘を含む)が適用の対象になる。

<森林破壊>
森林破壊の原因となる大豆・畜産に対する投資家イニシアチブの取組みが加速

(参考情報:2018年7月9日付 PRI HP、他)

国連責任投資原則(PRI)と国際NGOのCeresは7月9日、機関投資家のイニシアチブ「Investor Initiative for Sustainable Forests*」の取組みとして、南米の大豆バリューチェーン上にある企業に対して集団エンゲージメントを実施していくことを発表した。また7月30日には、投資家の畜産業イニシアチブ「Farm Animal Investment Risk and Return (FAIRR)**」が、新たな森林破壊ゼロを宣言する署名が集まったことを発表した。ブラジルのカンポ・セラード地域での森林破壊を無くす「Cerrado Manifesto」と呼ばれる署名には、マクドナルド、ウォルマート、テスコ、味の素などの食品・消費財・小売の世界大手70社以上とAPG、Robecoなどの機関投資家17団体(運用資産総額2.8兆米ドル)が署名した。

<SDGs>
GRIと国連グローバル・コンパクトがSDGsに関する報告ガイドを公表

(参考情報:2018年8月1日付 国連グローバル・コンパクトHP)

GRIと国連グローバル・コンパクトは8月1日、企業報告にSDGsに関する報告を統合するための実践ガイド「Integrating the SDGs into Corporate Reporting: A Practical Guide」を公表した。

同ガイドは新しい報告フレームワークを構築するものではなく、国連グローバル・コンパクトの10原則、国連のビジネスと人権に関する指導原則、GRIスタンダードで提唱されている企業報告の考え方を踏まえ、SDGsに関する活動内容やリスクをどのように報告書にまとめるべきかについて整理している。

ESGリスクトピックス(旧:CSR・ERMトピックス)

国内外における主なトピックスを、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)ごとに紹介しています。
(A4数枚、毎月発行)