レポート

ESGリスクトピックス 2018年度 No.4

2018.7.1

国内トピックス2018年5月に公開された国内のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<情報セキュリティ>
日本ネットワークセキュリティ協会がCISOハンドブックを公表

(参考情報:2018年5月11日付 同協会HP)

特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会のCISO*支援ワーキンググループは5月11日、「CISOハンドブック業務執行として考える情報セキュリティ」を公表した。

昨今、情報セキュリティ事故に関する数多くの報道、GDPR(EU一般データ保護規則)をはじめとする国際的な規制への対応の必要性などから、情報セキュリティへの関心がますます高まっ ており、CISOが注目されている。本ガイドブックは、CISOが経営陣の一員としてセキュリティ業務を執行する上で前提となる経営の基本的な枠組みを整理し、明確にすべき目標と指標、施策を評価する判断基準を提供することを目的として作成された。

<ESG投資>
経済産業省が「統合報告・ESG対話フォーラム」の議論内容を公開

(参考情報:2018年5月18日付 経済産業省ホームページ)

経済産業省は5月18日、「統合報告・ESG対話フォーラム」で議論された内容を取りまとめた報告資料を公開した。

最近のコーポレート・ガバナンス改革においては、企業が「稼ぐ力」を高める持続的な企業価値向上を図るため、企業と投資家との対話の質を向上させることが必要になっている。加えて、「伊藤レポート*」が公開されて以降、ESG投資の拡大、SDGsへの取り組みに対する投資家の関心が高まっている。

<環境>
資生堂が日本企業として初めて持続可能なパッケージングのイニシアチブに参加

(参考情報:2018年5月21日付 資生堂ニュースリリース)

資生堂は、日本企業として初めてSPICE*(Sustainable Packaging Initiative for CosmEtics:化粧品のための持続可能なパッケージングへの取り組み)に参加することを表明した。SPICEは環境サステナビリティの大手コンサルティング会社であるクアンティスとフランスの化粧品会社ロレアルによって2018年5月に共同設立され、11社が参加する。グローバルな化粧品会社が協業して「持続可能なパッケージングの未来をともに描く」という共通の目標に取り組む。

海外トピックス2018年4~5月に公開された海外のCSR・ERM等に関する主な動向をご紹介します。

<廃棄物>
食品容器大手テトラパック、紙製ストローの開発を開始

(参考情報:2018年4月30日付 同社HP)

テトラパックは4月30日、従来の使い捨てプラスチックストローに代わる紙製ストローの開発を公表した。プラスチック廃棄物の問題が国際的に注目されていることに対応する。

同社はこれまで、プラスチック製のストローについて、飲料を飲み干した後にストローを箱に戻し、箱ごと回収できるようにすることを消費者に呼びかけてきた。 しかし、今回は抜本的な解決策として紙製ストローの投入に踏み切る。

<気候変動>
TCFDとCDSBが、情報プラットフォーム「TCFD Knowledge Hub」を開設

(参考情報:2018年5月1日付 TCFD HP)

金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)と、気候変動開示基準委員会(CDSB*)は5月1日、企業や団体がTCFD提言に基づく情報開示を実施するのに役立つ資料やツールを集めたウェブ上のプラットフォーム「TCFD Knowledge Hub」を開設した。

同プラットフォームではTCFD提言の中核要素である「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標および目標」の4つのテーマごとに、関連の法規制やガイドライン、研究成果など多 様な資料が集約され、掲載資料数は2018年6月時点で380にのぼる。

<労働慣行>
ShareActionがグローバル企業への労働環境の情報開示要求の範囲をサプライチェーンに拡大

(参考情報:2018年5月2日付 ShareAction HP)

ShareAction*は5月2日、グローバル企業に要求している従業員の労働環境に関する情報開示の範囲を、今回初めてサプライチェーンに拡大し、各企業の開示状況をまとめた報告書(初年度版)を公表した。同団体は、本取り組みが自社とサプライチェーンの従業員間の待遇格差の是正や労働環境の改善などにつながるとしている。

開示要求は、ネスレ、ユニリーバ、マイクロソフト、HSBC、H&Mなどグローバル企業76社**が対象で、うち34社が開示に応じた。

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