リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / ESGリスクトピックス

2019.7.1

ESGリスクトピックス<2019 No.3>

今月の主なトピックス

Environmental-環境-

<生物多様性>
OECD、生物多様性保全に資する金融、経済、ビジネスのあり方を提言

5月5~6日に開催されたG7環境大臣会合において、OECDは"Biodiversity: Finance and the Economics and Business Case for Action"と題する報告書を発表した。同報告書は生物多様性がもたらす生態系サービスの価値を世界のGDPの1.5倍以上に相当する125~140兆米ドル/年と算定した。一方で、1997年から2011年の間に、土地の利用変化によって4~20兆米ドル/年、土地の劣化によって6~11兆米ドル/年の生態系サービスが失われており、生物多様性の喪失は21世紀最大のリスクの1つであると指摘している。

(参考情報:2019年5月6日付 OECD HP

<環境保全・サーキュラーエコノミー>
WWF(世界自然保護基金)、プラスチック廃棄物削減のためのイニシアチブ「ReSource:Plastic」を発足

国際的な環境NGOのWWF(世界自然保護基金)は5月14日、プラスチック廃棄物問題に対応するためのイニシアチブ「ReSource:Plastic」を発足した。このイニシアチブは企業のプラスチック課題へのコミットメントを有意義で測定可能な活動へと変えることを目的とし、専門家による助言やツール・ガイダンス等を提供するとともに、他企業や政府機関との連携等の支援が受けられる。本イニシアチブには、マクドナルド、P&G、スターバックスといった世界的な企業が参加を表明している。

(参考情報:2019年5月14日付WWF HP

<気候変動>
TCFDコンソーシアムが発足

5月27日、TCFDコンソーシアム設立総会が開催された。同コンソーシアムは、TCFD*の提言に賛同する企業と金融機関の連携を目的として設立された。発起人には、経団連や全銀協の会長等の5名が名を連ね、5月27日時点で164社・団体が参加している。また経済産業省、金融庁、環境省がオブザーバーとして参画する。今後、同コンソーシアムは経済産業省が主導して策定したTCFDガイダンスの改訂やグリーン投資ガイダンスの策定などの活動を行う。

(参考情報:2019年5月21日付環境省 HPほか)

<サーキュラーエコノミー>
日本政府、プラスチック資源循環戦略を策定

日本政府は5月31日、資源・廃棄物制約、海洋プラスチック問題、気候変動、アジア各国での廃棄物輸入規制等の課題に対応するための「プラスチック資源循環戦略」を策定した。同戦略では「3R+Renewable」の基本原則のもと、ワンウェイプラスチック*の使用削減、効果的な分別回収・リサイクル、海洋プラスチック汚染の防止などを重点戦略に掲げた。「2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルとする」などのマイルストーンも定めている。

(参考情報:2019年5月31日付環境省 HP

Social-社会-

<情報管理>
総務省が「サイバーセキュリティ対策情報開示の手引き(案)」に対する意見募集を実施

総務省は5月17日、同省サイバーセキュリティタスクフォース情報開示分科会での検討結果を踏まえ作成した「サイバーセキュリティ対策情報開示の手引き(案)」を公表、意見募集を実施した。同手引きは、開示書類におけるサイバーセキュリティ対策の開示項目の例や開示資料の事例集を掲載し、各企業において情報開示の在り方を検討する際の参考資料となることを目的としている。

(参考情報:2019年5月17日付同省 HP

<食品ロス>
食品ロス削減推進法が成立

「食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)」が5月24日に参議院にて可決、成立した。同法では食品ロスの削減を国民運動として推進することを目的としており、事業者に対して、国または地方公共団体が実施する食品ロス削減に関する施策への協力、事業活動における食品ロス削減への積極的取組を努力義務として求めている。

(参考情報:2019年5月24日付 参議院 HP

<リスクマネジメント>
政府が南海トラフ地震の対策推進基本計画を修正、行政や企業、学校などの対応を盛り込む

政府の中央防災会議は5月31日、「南海トラフ地震の防災対策推進基本計画」を修正した。「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」*発表時の国・地方自治体や病院・百貨店・学校・福祉施設等が講じるべき措置のほか、公立学校・病院などの耐震化推進などを盛り込んだ。今回の修正は2014年の策定後初めてで、「南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応のあり方について(報告)」**や最近の災害対応の教訓等を受けた対応を盛り込んだ。

(参考情報:2019年5月31日付 内閣府 HP

Governance-ガバナンス-

<情報開示>
日本取引所グループ、SSEイニシアティブのESG情報開示ガイダンスを日本語版で公表

日本取引所グループ(JPX)は6月3日、国連機関や各国の証券取引所などで構成する「SSEイニシアティブ」*が策定した「ESG情報の報告に関する企業向けモデルガイダンス」の和訳版を公表した。上場会社に、ESG情報の効果的で信頼性の高い開示を促すのが**狙いで、開示の意義や視点・留意点を提示したもの。開示内容の参考資料の位置づけ。昨年6月改定のコーポレートガバナンス・コードで示したESG情報の積極的な開示要請と軌を一にする。

(参考情報:2019年6月3日付 同社 HP

全般・その他

<ESG投資>
米議決権行使助言会社ISSが、企業のESG取組が向上との調査結果を発表

米大手議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ社(ISS社)は5月15日、世界的なESGへの議論の盛り上がりに応じて企業のESG取組が向上しているとの調査結果を発表した。同日発表の「ESGレビュー2019」によると、同社独自のESG基準に基づき企業の遵守状況を分析したところ「優」または「良」と評価された企業の割合が前年の17%強から20.4%に上昇したという。

(参考情報:2019年5月15日付 ISS HP

<SDGs>
経済産業省が企業のSDGs経営支援を目的に成功事例などをまとめたガイドを公表

経済産業省は5月31日、国内企業のSDGs経営の実践を支援するため、国内外の成功事例を参考に企業がSDGsを経営に取り込む方法や投資家がその取組を評価する視点などを整理した「SDGs経営ガイド」を公表した。企業・投資家やステークホルダーに関わるSDGsの意義や現状認識などを整理した「Part1.SDGs-価値の源泉」と、企業がSDGs経営を実践する際の手法や要点を解説した「Part2.SDGs経営の実践」で構成。同省は今後、主要20カ国・地域(G20)各会議などを通じて、本ガイドの国内外の企業・投資家への普及・浸透を図る。

(参考情報:2019年5月31日付 経済産業省 HP

今月の『注目』トピックス

<ESG>
GPIFがESG情報の開示についての調査研究結果を公表

(参考情報:2019年4月25日付 年金積立金管理運用独立行政法人 HP)

年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)は4月25日、「ESGに関する情報開示についての調査研究報告書」を公表した。

GPIFはユニバーサルオーナー*として、国内株式におけるESG指数や、国内外の株式における環境指数の選定等に取り組んでいるが、その推進にあたっては、企業によるESG情報の開示が重要となる。しかし、TOPIX構成企業においては、情報開示に積極的な企業群と開示が相対的に遅れている企業群とに二分されており、情報開示の底上げが必要な状況となっている。

ESGリスクトピックス(旧:CSR・ERMトピックス)

国内外における主なトピックスを、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)ごとに紹介しています。
(A4数枚、毎月発行)