リスク情報・レポート / 中国風険消息<中国関連リスク情報>
2021.10.1
中国における新しい粉塵爆発防止規定の解説
要旨
- ここ数年、中国では多数の死傷者を伴う粉塵爆発事故が多発している。典型的な事故は以下の通りである。
・2012年8月5日_浙江省温州市でアルミ粉塵爆発重大事故が発生:13人死亡
・2014年8月2日_江蘇省昆山市の金属製品会社で特別重大爆発事故が発生:146人死亡
・2019年3月31日_江蘇省昆山市の精密金属会社で爆発燃焼事故が発生:7人死亡 - 安全生産状況の安定・改善を促進するため、中国の応急管理部は粉塵爆発リスクを有するすべての企業を対象に、『工贸企业粉尘防爆安全规定安全规定』(以下、「安全規定」という) を制定し、2021年9月1日に施行した。本稿では、企業が安全規定のポイントを理解し、必要な安全対策を講じることができるよう、企業と関連性の高い条文を一部抜粋し、解説する。
Ⅰ. 「安全規定」の構成内容
「安全規定」は、下図に示す5章(計32条)より構成されている。
このうち、企業と最も関連性が高いものは第二章・第四章である。具体的には「企業として何をすべきか」「対応が不適切である場合にどのような処罰を受けるか」について記載されている。
各企業の関係責任者は当該規定を確認し、十分に内容を理解したうえで、具体的な対策を講じる必要がある。
次頁より、第二章および第四章のポイントを説明する。