レポート

2021年度 No.2「新・安全生産法(2021年9月施行)の解説」

2021.7.1

要旨

  • 2021年月日、全国人民代表大会常務委員会は、「中華人民共和国安全生産法」(以下、「安全生産法」という)を改訂し、年月日より正式に施行することを決定した。
  • 消防や交通等に限定した安全生産関連の法律と比較すると、安全生産法は安全生産(※)事故を予防・減少させ、国民の生命・財産を守るための基本的・総合的な法律と位置付けられる。
  • 今年月の本ニュースでは、安全生産法(意見募集稿)について解説したが、今回正式に公布された安全生産法は、意見募集稿から更に修正が加えられている。本稿では、正式公布版について改めて解説し、新法を踏まえて企業がどのように安全生産管理を強化・改善しなければならないか、ポイントを解説する。

中国語でいう「安全生産」は、工場等における生産業務のみならず、広範囲にわたる業種の事業活動における労働者の安全・健康の確保、災害防止の取組みを指す。

1. 「安全生産法」の概要

安全生産法は、安全生産活動の強化、安全生産事故の防止・低減、国民の生命・財産の安全確保、経済社会の継続的で健全な発展の促進を目的として、中国初の安全生産に関する法律として制定されたものである。安全生産に関する法体系の中では、法的な位置付け・法的効力が最も高い。

安全生産法第2条では「本法律は、国内で事業活動に従事する様々な形態の事業者に適用する」と定めており、企業や社会組織、個人事業主もその対象となる。従って事業活動全般に適用する、普遍的・基本的な法律であるといえる。

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