リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / 中国風険消息<中国関連リスク情報>

2021.5.6

<事例紹介> 著作権侵害による訴訟にご注意ください

要旨

  • 本稿では、ある日系会社に民事起訴状が届き、突然に著作権侵害訴訟の当事者となった事例の顛末を紹介する。
  • 少額の著作権侵害訴訟を大量に提起する手法は、少なくとも数年前より中国全土で発生しており、一部マスコミがその手法を批判的に紹介する等、社会的に関心を集めている。
  • 悪意なく他者の著作権を侵害し、同様の紛争に至ることがないよう、社内教育、自社コンテンツのチェック等を実施することをお勧めする。

1. 著作権を侵害したとする起訴状の受領

中国でコロナ禍が本格化する直前にあたる2020年1月、ある日系会社Aに対し、人民法院(裁判所)から送達回証(日本でいう内容証明郵便にあたる)で民事起訴状が届いた。 申立人は写真・動画素材を販売する映像会社Bであり、会社Aに対して以下の対応を求める内容であった。

起訴状には、一枚の写真(拡声器で何かを呼び掛けるスーツ姿の男性)と、会社Bが版権局(著作権の管理機関)にこの写真の著作権登録を行った際の登記証書が添付されていた。 また、会社Aが会社Bの著作権を侵害した証明として、会社Aのウェブサイトにその写真が掲載されている画面コピーも添付されていた。あわせて、人民法院からの通知として、 訴状送達から約1か月後の2月某日に裁判所に出廷し、調解(日本でいう調停にあたる)に参加するよう指示書が同封されていた。

中国風険消息<中国関連リスク情報>

中国に拠点をお持ちの企業や中国の駐在員の方々向けにお届けするリスク情報誌です。
(A4数枚、不定期発行)