レポート

2020年度 No.6「新・安全生産法(意見募集稿)の解説」

2021.3.1

要旨

  • 新しい「中華人民共和国安全生産法」が、パブリックコメントの募集を経て、数か月のうちに正式に発布される予定である。
  • 新法では、「安全生産(※)」に対する責任主体について具体的かつ明確に記載し、違反行為に対する罰則をより強化している。
  • 本稿では、新法の主な改訂点のうち、製造業に関連する部分を整理するとともに、新法に合わせて企業が管理ルールを調整・強化すべき点について説明する。

※中国語でいう「安全生産」は、工場等における生産業務のみならず、広範囲にわたる業種の事業活動における労働者の安全・健康の確保、災害防止の取組みを指す。

1. 「安全生産法」の概要

「中華人民共和国安全生産法」(以下、安全生産法という)は、安全生産活動の強化、生産安全事故の防止・低減、国民の生命・財産の安全確保、経済社会の継続的で健全な発展の促進を目的として、 中国初の安全生産に関する法律として制定されたものである。安全生産に関する法体系の中では、法的な位置付け・法的効力が最も高い。

「安全生産法」第二条では「本法律は、国内で事業活動に従事する様々な形態の事業者に適用する」と定めており、企業や社会組織、個人事業主もその対象となる。従って事業活動全般に適用する、普遍的・基本的な法律であるといえる。

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