レポート

2019年度 No.8「新型肺炎に対する在中国企業の対応について」

2020.2.1

要旨

中国に拠点を置く各企業では、主な地域で出社再開が認められる2月10日以降の業務対応について急ピッチで様々な検討がなされているものと推測する。本稿では、在中国企業が業務の本格再開を目指す上で至急の検討が必要な項目について、駐在員・帯同家族の安全確保、事業継続対策、感染予防対策の3つの観点から解説する。

本稿の執筆時点(2月5日)で 、中国国内では生活関連の一部業種を除き、ほとんどの企業活動が休止せざるを得ない状況となっている。新型コロナウイルスの拡散防止のために、中央政府が春節休暇を2月2日まで延長(本来は1月30日まで)することを決定し、地方政府の多くも相次いで域内企業に対して2月9日まで原則出社を控えるよう通達を出したためである(湖北省は2月14日ま で )。

1. 駐在員・帯同家族の安全確保

国や地方政府による春節期間の延長、2月9日までの休業通達は、日系企業の駐在員・帯同家族の多くが春節休暇に合わせて日本に一時帰国している中で発せられた。このため、日系企業の大勢では概ね以下のような方針が検討されているようである。

なお、上記 判断は、外務省海外安全情報(感染症危険情報)において、湖北省以外の中国本土の危険度が現状のまま「レベル2(不要不急の渡航中止)」で維持されることが前提となる。

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