リスク情報・レポート

リスク情報・レポート / 中国風険消息<中国関連リスク情報>

2020.1

中国の寒波と設備等の凍結被害防止対策

要旨

  • 中国中央気象台は、例年の寒波・大雪の記録や傾向を踏まえ、2020年1~3月にかけて中国北部及び長江中流、下流地域の広い範囲で低温、降雪、凍結による被害が生じると予測している。
  • 今年の春節休暇は1月最終週から始まる。長期休業に備えて早めに事前対策を講じ、設備の凍結事故等を予防する必要がある。
  • 本稿では、中国の寒波に関わる気象データを概観すると共に、設備等の凍結に起因する事故に備えるための事前予防対策について提言を行う。

1. 中国における寒波の概況

(1)寒波に伴う災害のデータ

寒波とは、非常に気温の低い空気が広い範囲に流れ出して、ある地域で気温が急激に下がる現象である。東北・華北地域等の寒冷地だけでなく中国全土で見られ、災害の原因となる天候のひとつである。図1(中国年凍害分布図)によると、1961年~2006年において、寒波による災害は北部により多く分布する傾向にあり、東北、西北、華北の西北部、華東、華南地域の一部が、寒波による凍結被害のリスクが懸念される地域に属していることがわかる。

図2は、国立気象センターが公表したデータであり、2018年に発生した自然災害を被害面積の比率で表している。 低温凍結及び雪災の被害面積比率は、台風災害と同じ16%であり、大雨・洪水災害の19%に次いで高い結果となっている。なお、トップは干ばつ被害で37%を占めている。

中国風険消息<中国関連リスク情報>

中国に拠点をお持ちの企業や中国の駐在員の方々向けにお届けするリスク情報誌です。
(A4数枚、不定期発行)