レポート

2018年度 No.5「消防法等における消火器の設置基準とメンテナンス要領について」

2019.3.1

要旨

  • 中国の事業場において、消火器は最もよく見られる初期消火設備の一つだが、その使用頻度が低いこともあり、十分なメンテナンスが実施されていないケースが散見される。
  • 消火器に関する知識の不足により、国等が定める消火器の設置基準に違反していたり、設置方法や使い方、メンテナンスの仕方を誤っているケースも少なくない。
  • 本稿では、事業場における消火器の設置やメンテナンスについて、よく見られる不備事例と是正方法を紹介するとともに、関連する法令を紹介する。

1. 消火器の種類

消火器には様々な種類があり、設置場所ごとに想定される火災の種類に応じて消火器を選定しなければならない。消火器の種類は充填されている消火剤によって決まるが、以下に代表的なものを紹介する。

粉末消火器

粉末の消火薬剤を用いるものをいう。リン酸二水素アンモニウムを主成分とするABC粉末消火器が広く普及している。火炎を急激に減退させる効果は高いが、粉末を噴射するため、周囲の汚損は避けられない。

二酸化炭素消火器

二酸化炭素を薬剤として用いるものをいう。窒息作用によって消火を行うため、周囲を汚損させない。したがって電気設備やコンピューター等の精密機械、クリーンルームの消火に適している。

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