レポート

2018年度 No.1「タイの洪水関連情報」

2018.3.1

2017年の降雨・洪水概要

  • 2017年は雨季以外の季節にも継続して降雨があったことなどから、1年間の平均降雨量は平年を27%上回りました。
  • タイ南西部では特に降雨量が多く、いくつかの地域で洪水が発生しました。
  • TALAS、SONCA、KHANUNなどの台風も襲来し、1年間の総降雨量は大洪水が発生した2011年と同程度にまで達しましたが、ダムの貯水量や河川水位が適切に管理された結果、深刻な影響は生じませんでした。

2018年の予測

  • タイ国水文・農業情報機構(Hydro and Agro Informatics Institute)によれば、2018年も平年を上回る降雨量となることが予想されており、雨季も平年より早まる見込みです。例年は5月中旬頃、雨季に入りますが、今年は4月末または5月始めから本格的な降雨が始まる可能性があります。
  • 降雨のピークは、季節風やラニーニャ現象の影響を受ける8月~9月と予測されています。
  • 1年を通した降雨量は2011年より少なく、2017年と同様の水管理によって深刻な洪水被害は回避できる見込みですが、Yom川流域、Nan川流域およびタイ東部、南部では大雨による影響が生じるおそれがあります。

2017年と2011年の降雨比較

2017年(1月1日~10月31日)のタイ全国における平均総降雨量は1,711mmであり、2011年(同期間)の1,798mmとほぼ同程度の降雨量でした。タイ政府は2011年の大洪水以降、洪水対策に注力しており、適切な水資源管理計画によって、2017年に発生した洪水被害は限定的な範囲・程度にとどまりました。

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