レポート

2017年度 No.1「タイ南部で発生した洪水の状況」

2017.1.1

1. 概要

2016年末よりタイ南部で大雨が続いており、洪水による深刻な被害が発生しています。

洪水による被害が発生しているのは、右図に示すPrachuabkirikan、Chumphon、Ranong、Surat Thani、Nakhon Si Thammarat、Krabi、Trang、Phatt h alung、Songkhla、Yala、Pattani、Narathiwatの12県です。多くの道路や鉄道に被害が生じており、一部の地域では交通機能が麻痺していることから、Surat Thani県などいくつかの経済圏が影響を受けています。

Yala、Ranong、Narathiwat、Pattani、Krabiの洪水は収束しつつありますが、大雨は今後も続く見込みであり、浸水地域では引き続き注意が必要です。

2. 大雨の原因

昨年末から続いている大雨は、北東モンスーンに起因するものです。現在、タイは乾季に入っていますが、南部の地域ではモンスーンによって湿った空気が海から大量に流れ込んでおり、大雨の原因となっています。この大雨により、陸地に降った雨水が海へ排出しきれず、各地で洪水が発生しています。

次ページに、2017/1/1~1/16のタイ全土における降水量の分布を示します。同図によれば、今月前半のタイ南部における降水量の多さは顕著であり、一部では累積降雨量が1,000mm以上に達している地域もあります。また、平年と比較してもタイ南部における同期間の降水量は200mm~400mm多く、深刻な洪水を引き起こしています。

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