レポート

2016年度 No.4「タイの渇水状況」

2016.6.1

現在の状況

タイ気象局(TMD Thai Meteorological Departmentは、5月16日の雨季入りを公式に発表しました。
しかし、特に北部の地域では、ダムの貯水量は依然として低く、穀物の収穫量減少とそれに伴う食料品の価格上昇は継続しています。

経済への影響

EIC(Economic Intelligence Centre of Siam Commercial Bank)によれば、今回の渇水の影響でタイのGDPは0.5%減少しました。経済的な被害は、農業を中心に2016年1~3月だけで8,000万バーツ以上と推定されています。

2016年の洪水予測

地理情報宇宙技術開発機関(Geo Informatics and Space Technology Development Agency:GISTDA)によれば、2016年後半、タイは洪水リスクに直面すると予測されています。
雨季の間に23つの台風がタイを襲来し、2011年の洪水で被害を受けたPrachinburi県、Ayutthaya県、Suphanburi県、Pitsanulok県を含む低地が、洪水により再び影響を受ける可能性があります。洪水の予想発生期間は8月~10月で、浸水地域(面積)は2011年の洪水時(900億m2)には達しない見込みです。
また、ラニーニャ現象によって、気温が低く雨が多い傾向が15ヶ月以上続き、2017年まで大雨が継続するとのことです。

王室灌漑局(Royal Irrigation Department :RID)のコメント

チャオプラヤ水系の主要ダムのうち、Bhumibolダムの水位は増加していませんが、他の3つのダム(Sirikitダム、Kwae Noiダム、Pasak Jolasidダム)は徐々に貯水量が回復しています。これら3つのダムには、先週、7,208万m3の水が流入しました。

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