レポート

2016年度 No.1「タイにおける渇水の状況について」

2016.5.1

現状評価

昨年から続く水不足は、ダムの貯水量が常に低いレベルで推移していることから、引き続き注目すべき状況にあります。現在の水量では、運用を誤ると工業や農業などで水不足が深刻になる可能性があります。昨年、気温の急上昇に伴って雨季が短くなったため、河川の水位も平年より低くなっています。
6月は平年並みの降雨量に戻るとの予測も示されていますが、北部、北東部では、既に貯水量が危険水準に達しているダムもあること、また、年間予測でも同地域の降雨量は昨年より少ないと予想されていることから、工業団地等では渇水による被害が発生する可能性もあります。

王室灌漑局(RID)およびタイ工業団地公社(IEAT)のコメントは以下のとおりです。

王室灌漑局(Royal Irrigation Department :RID)「電力供給に影響が及ぶ可能性あり」とのコメント

  • 6~7月に到来する次の雨季までに必要な水量は確保されている。
  • 国内にある主要33ダムにおける現在の合計貯水量は約103億m3=全容量の22%程度である。
  • チャオプラヤ川にある4つの主要ダムにおける貯水量は地域内の生活用水に対して十分確保されており、7月まで運用を継続することが可能である。
  • Chonburi県、Rayong県における水の需要量は2,900万m3、供給可能量は12,000万m3である。
  • このまま水不足が継続すると、地域によっては電力供給に影響が及ぶ可能性がある。

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