レポート

2014年度 No.4「タイ中央部チャオプラヤ水系の洪水リスク情報」

2014.8.1

はじめに

タイ中央部における河川氾濫による洪水リスクについて、関係するダムの水位、気象予報、タイ政府情報およびWEB情報を基に定性評価を行っております。

注:2011年タイ洪水型の洪水リスク地域であるタイ中央部に関する資料となります。バンパコン水系およびその他の地域につきましては洪水リスクが高まった際に緊急レポートを発行致します。

タイ中央部
河川氾濫リスク:低/内水氾濫リスク:注意

先週、ベトナムからの南西季節風および低気圧がタイ各地で豪雨をもたらしました。タイ北部の降雨量は減少しているものの、中央部および東部では増加傾向にあります。しかし、河川の流量データは、多数の運河が降雨により増水した水量をコントロール可能なレベルであることを示しており、今後も制御可能であろうと考えられます。ダムの総貯水量も山間部に降った降雨を貯水出来る許容量を備えています。タイの周辺にはタイフーンは現在ありません。また、現在フィリピンおよび台湾付近で発生しているタイフーンはタイには大きな影響は及ぼさないものと考えられます。しかし、今後の南西季節風および低気圧の変化による影響は考慮するべきで、内水氾濫リスクには注意が必要です。

内水氾濫:一部で洪水が発生(先週)

幾つかの原因による最近の継続的な降雨が原因で7月24日より主にタイ北部、東部そして南部に位置する5つの県の13の地域で内水型洪水が発生した模様です。これらの洪水は主に先般襲来したタイフーンRammasunおよび南西季節風によるもので、東部、南部は長期の継続的降雨により、そして、北部は当該タイフーンによるミャンマーおよびタイの国境地域での豪雨が山間部を流れて、各地で氾濫したものと推察されています。

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