レポート

2020年度 No.7「操業縮小・停止時の火災・爆発にご注意ください。」

2020.4.1

要旨

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響拡大に伴い、工場などの操業縮小・停止の動きが広まっている。またこのタイミングに保全作業を前倒しして行うこともある。
  • こうした非定常作業の際には火災・爆発リスクが高まる。
  • 多くの企業で業績低下が見込まれている現状で、火災・爆発により損害が発生し、操業停止期間が長期化すると業績悪化に追い打ちをかけることになる。

1. 非定常作業中の火災・爆発事故

新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い、工場などの操業の一部縮小や操業停止の動きが広まっています。また保全作業などをこのタイミングに前倒しして実施することもあるかと思います。 こうした状況では非定常作業が増えます。非定常作業とは日常的に反復・継続して行われることが少ない作業のことで、一般的にはトラブル対応や保全作業などの作業となります。1 非定常作業時には以下のような理由で、火災・爆発や労働災害のリスクが高くなります。

 
  • 非定常作業は、日常的に反復・継続して行われることが少なく、かつ十分な時間的余裕がない中で行われることが多いため、設備面及び管理面での事前の検討が十分でないことが多く、 併せて、これらの作業に従事する作業者が作業に習熟する機会が少ない。
  • 非定常作業は、事業場の複数の部門(製造部門、保全部門等)や協力会社にわたって、輻輳(ふくそう)して行われることが多い反面、事前の作業に関する連絡調整が必ずしも十分ではなく、作業指示が不明確になりがちである。
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