2019年度 No.5「タイの台風リスク」
2019.3.1
要旨
- タイにおいても頻度は低いものの台風による大きな被害が発生しています。
- タイ南部に上陸して多数の死傷者が生じる台風と、タイ北東部、北部を通過してチャオプラヤ川流域に大雨をもたらす台風に注意が必要です。
1. タイで発生した台風被害
1962年以降、タイでは2019年1月のPabukを含めて19の台風で死者が発生しています。下表にそれらの台風の発生年月、台風名および被害概要をまとめます。
次ページに死者が発生した台風の発生年と発生月を示します。タイにおいて台風により大きな被害が生じる頻度は高くないといえます。また、台風被害が生じるのは雨季の6~11月に多く、2019年1月初旬、タイ南部に上陸し7名が死亡するなど大きな被害が生じた台風Pabukは非常に珍しい現象でした。
2. 甚大な被害が発生した台風の概要
特に大きな被害が生じた台風Harriet(1962年)、Gay(1989年)、Linda(1997年)の概要を以下にまとめます。
(1) 台風Harriet(1962年)
1962年10月19日にフィリピン西部で発生した台風Harrietは南シナ海を南西に進み、ベトナム南方沖を通過した後タイ湾に侵入、10月25日にタイ南部のNakhonSi Thammarat県に上陸しました。
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