レポート

2019年度 No.4「タイの交通事故件数」

2019.3.1

要旨

  • 2013年以降、タイにおける交通事故件数は増加傾向にあります。
  • 2017年に発生した交通事故原因の1位は危険な車線変更です。
  • 年末年始およびソンクラン期間中(4月中旬)に交通事故が多発します。

1. タイの交通事故

現在、交通事故はタイの重大な社会・経済問題となっています。2018年の世界保健機関(WHO)による報告によれば、タイの交通事故による死亡率は人口10万人あたり32.7人と世界で9番目に高いとされています。過去10年間、政府は交通事故を減少すべく努力を続けてきましたが、問題の解決は容易ではありません。交通事故は経済損失を伴っており、国家の発展を阻害する一つの要因になっているといえます。

タイにおける交通事故は祭日や祝日に多く発生しています。中でも最もにぎわいを見せるタイ旧暦での新年であるソンクランと年末年始は交通事故による死者が多発する期間として知られ、毎年タイ国内全域で交通事故による死傷者数が急増します。

2. 2013~2017年に発生した交通事故(死亡事故・負傷事故・衝突事故)の状況

タイ王国国家警察庁のデータによれば、2017年の交通事故による負傷者数は2016年から減少しているものの、交通事故の発生件数および死者数は増加しています。2017年の交通事故発生件数は85,949件であり、前年比で1.65%増、死者数は4.01%増である一方、2016年に7,483人だった負傷者数は3,785人に減少しています。

会員登録で レポートを全て見る