レポート

2014年度 No.26「カンボジアの自然災害リスクについて」

2014.12.1

シリーズ2回目はカンボジアの洪水リスクについてご紹介します。カンボジアの自然災害リスクの中で最も注意が必要と考えられるのが洪水リスクです。特にトンレサップ川とメコン川周辺では、洪水リスクが高いものと考えられます。

1. カンボジアの河川とその水域

カンボジアにおける主な水域はメコン川とトンレサップ湖(川)であり、国内にある主要な河川の多くはこれら2つの水域に流れ込んでいます。

メコン川とトンレサップ川はプノンペンで合流した後、メコン川とバサック川(BassacRiver)に分かれて南シナ海に流れ込んでいます。合流点は4つの川が合流することから、Chaktomuk(4面)Junctionと呼ばれています。

これらの河川は、乾季には北から南に流れますが、雨季には下流域で大量の雨水が排水されずにトンレサップ川を逆流します。この結果トンレサップ湖の面積を拡大することになります。このため、雨季のトンレサップ湖は乾季と比較して面積が10倍程度になることもあり、貯水池としての役割も果たしています。

河川の水位も雨季と乾季では大きく異なります。下図は2001年~2005年のトンレサップ川における水位データです
が、各年の乾季と雨季で、水位が最大で8m程度の差があることが分かります。

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