レポート

地球環境との共生(Planetary Health)にむけて~ 原口真(講演:WWFジャパン生物多様性スクール①)リサーチ・レター2023年第3号

2023.9.1

2023年6月21日、WWF(世界自然保護基金)ジャパンが主催する「WWFジャパン生物多様性スクール第4回『生物多様性と金融』」に、MS&ADインターリスク総研 基礎研究部 フェロー/MS&ADインシュアランスグループホールディングス TNFD専任SVPの原口真が登壇した。本稿ではTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)メンバーである原口の発表について紹介する。なお、その1、その2の2部構成としており、今回は1回目のご案内となる。

1. イントロダクション

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)は、自然に関する共通言語、フレームワークを作っていくことを目指している。私(原口)がTNFDタスクフォースメンバーとして参画して以降、日本の様々なセクターの方から問い合わせをいただいており、現在、日本国内でTNFDをキーワードに様々な対話が始まっている。

2. MS&ADグループの取組み

(1) 重点課題について

MS&ADグループは中期経営計画で「地球環境との共生(Planetary Health)」を重点課題として掲げている。損害保険事業では地球温暖化の影響で水災等の多発により保険金の支払いが増えている状況で、また気候変動対応と自然資本の持続可能性向上は相互に関連していることから、当社グループではカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ1の両輪で取組みを進めている。2015年頃から気候変動対応、地方創生、自然資本を活用した防災減災を推進しており、これらを「グリーンレジリエンス」と呼び一体的に進めている。

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