レポート

地球環境との共生(Planetary Health)にむけて 原口真(講演:Responsible Investor Japan 2023)リサーチ・レター2023年第2号

2023.8.1

本稿では、2023年5月25日に開催されたPEI MEDIA主催「Responsible Investor Japan 2023 世界で急速に進化するサステナブルファイナンスと日本の対応」における、パネルディスカッション「生物多様性の課題を社会の本流に」に登壇した、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)メンバーであるMS&ADインターリスク総研 基礎研究部 フェロー/MS&ADインシュアランスグループホールディングス TNFD専任SVP 原口真の発表について紹介する。

1. イントロダクション

このイラスト1(図表1)にはパーム農園のために森林を開発したことでオランウータンが追われていたり、森林火災で花粉媒介するハチなどの昆虫が逃げ出している様が描かれている。また、都市部でいうと、生態系の分断化が起こったり、海には、プラスチックごみが存在し、国際物流とともに侵略的外来種が移動してきたりというように、自然関連に関するリスクを見える化している。

我々保険会社セクターがなぜこういった自然管理に取り組んでいるかを今からお話しする。
TNFDタスクフォースの中にも保険会社は何社かあるが、銀行等と少しスタンスが違うと考える。我々も機関投資家の側面もあるが、やはりリスクを調査し、それを改善することを重点にしており、銀行とは同じ金融セクターにいてもTNFD議論でも視点が異なる面がある。私自身、自然関連リスクにかなり長い間関わっており、TNFDの中でも自然関連データ、事業会社のセクター別のガイダンスの作成等で意見を出している。

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