レポート

PLレポート 製品安全 2017年度 No.7

2017.10.1

国内トピックス最近公開された国内のPL・製品安全の主な動向をご紹介します。

液石法省令の性能規定化に伴うJISの制定及び改正

(2017年8月21日 経済産業省)

経済産業省は8月21日、JIS S2152(直結型及び分離型カートリッジガスこんろ)・JIS S2153(屋内式カートリッジガスストーブ)の制定、JIS S2147(カセットこんろ)の改正を行いました。

本JISの制定及び改正は、安全規制である「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(以後「液石法」)」の関係政省令の運用及び解釈に示した例示基準を、「性能規定」化したことに対応したものです。

身近な動物による火災事故をNITEが注意喚起

(2017年8月24日 独立行政法人製品評価技術基盤機構)

8月24日NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)は、平成24年度から平成28年度に報告された製品事故情報のうち、ペット及び小動物や害虫による事故が累計78件報告され、うち約72%の56件が火災となっていることなどの注意喚起を行いました。

今回報告された事故のうち、ペット(飼育されている犬、猫、うさぎ、カメ、鳥、魚など)によるものでは、犬や猫が電源をいれたため、火災に至ったと考えられる事故、ペットが尿を掛けたことで機器内部の電気部品でトラッキングが発生し発火した事故、犬が空気清浄機や電気ストーブなど床に置かれている製品の電源コードをかんだりすることでショートして発火した事故が多く発生しています。(表1参照)

海外トピックス最近公開された海外のPL・製品安全の主な動向をご紹介します。

米国消費者製品安全委員会、ハンドスピナーの安全性に懸念を表明

(2017年8月10日 米国消費者製品安全委員会)

米国消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、以下CPSC)のMs Buerkle委員長代理は、8月10日、米国で大流行しているハンドスピナー(Fidget Spinner)の安全性に関して、懸念を表明する声明を発表しました。声明の概要は以下の通りです。

  • ハンドスピナーが壊れて小部品になり誤って飲み込んだ場合、子どもであれば窒息のおそれがあるので、小さい子どもがハンドスピナーに触れないように注意すべきである。
  •   
米玩具/育児用品に使用される特定のプラスチック類を第三者機関による試験対象から除外

(2017年8月29日 米国消費者製品安全委員会)

CPSC (Consumer Products Safety Commission:米国消費者製品安全委員会、以下CPSC)は、8月29日、子ども向けの玩具および育児用品に関するフタル酸エステル使用規制の見直しに伴い、これまで必要とされていた第三者機関による試験の対象から、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ABS樹脂(ABS)、汎用ポリスチレン(GPPS)および3種の耐衝撃性ポリスチレン(SHIPS/HIPS/MIPS:超耐衝撃/高衝撃/中耐衝撃)の7種のプラスチック類を除外することを決定しました。

家電量販店がリコール対象製品を故意に販売したとして制裁金を支払い

(2017年8月30日 米国消費者製品安全委員会)

CPSC (Consumer Products Safety Commission:米国消費者製品安全委員会、以下CPSC)は、8月30日、大手家電量販店のHome Depot U.S.A. Inc.(以下「同社」)が、リコール実施中の製品を故意に市場に流通させたとして、570万ドル(約6億円)の制裁金を支払うことに同意したと発表しました。同社は上記の制裁金の支払いに加え、社内においてConsumer Product Safety Act (CPSA:消費者製品安全法)に則ったリコール対象製品の廃棄手順の確立等、法令遵守のための組織・システム等の社内態勢の整備を今後進める予定。

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