レポート

PLレポート 製品安全 2015年度 No.5

2015.8.1

国内トピックス最近公開された国内のPL・製品安全の主な動向をご紹介します。

消費者安全調査委員会、エスカレーター事故調査報告書を公表

(2015年6月26日 消費者安全調査委員会)

消費者安全調査委員会は、6月26日、平成21年4月8日に東京都内で発生したエスカレーター事故に関し、「消費者安全法第24条第3項に基づく事故等原因調査報告書」を公表した。

本事故は、被災者がエスカレーターのハンドレールに後ろ向きに接触し、体が持ち上がった結果、エスカレーター側面から吹き抜け下に転落したもの。

報告書では、当該エスカレーターは、建築基準法関係法令等及びJEAS(一般社団法人日本エレベーター協会が定める標準)に規定された安全対策が行われていたことは認めたものの、エスカレーター側面からの転落を防止する対策は講じられていなかったとした。

国民生活センターがスポーツ用自転車の取扱について注意喚起

(2015年6月18日 国民生活センター)

国民生活センターは、6月18日、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワーク・ システム)に寄せられる自転車に関する危害・危険に関する相談のうち、スポーツ用自転車に関するものが近年2割程度で推移しており、今後スポーツ車の普及が進むことで、さらに相談件数が増加することが懸念されるとして、注意喚起を行った。

また、寄せられた相談内容を分析した結果、以下が判明した。

乳幼児の歯磨き中の事故に注意

(2015年6月1日 東京消防庁)

東京消防庁は、6月1日、「歯と口の健康週間」に合わせ、乳幼児の歯みがき中における事故の実態の情報提供と、注意喚起を行った。

東京消防庁によると、平成22年~平成26年までの5年に5歳以下の乳幼児が歯磨き中に歯ブラシで受傷する事故は年間40件前後で推移。年齢別では1歳児が最も多く97人、次いで2歳児が61人となっており、両者を合わせると、158人(76.3%)となり、事故の大半を占めている。

農林水産省/消費者庁が食品の法令違反等に関する集計結果を公表

(下記①:2015年6月3日 農林水産省および消費者庁ホームページ)
(下記②:2015年6月17日 消費者庁ホームページ)

①消費者庁および農林水産省は、6月3日、平成26 年度下半期の「JAS法の品質表示基準に係る国による指導の件数等」を以下の通り公表した。

また、平成26年度下半期の主な違反区分の指導件数は以下の通りであり、引き続き原産地の誤表 示・欠落に関する指導が最多となっている(前年同期:107件)。

②消費者庁は、6月17日、平成26年度の「夏期・年末一斉取締りの結果」を公表した。収去した食品等の検体数、違反件数等は以下の通りであり、製造加工者及び輸入者に関する表示ミス(所在地、製造所固有記号の記載漏れや誤記等)や添加物の基準に関する違反が多くなっている。

海外トピックス最近公開された海外のPL・製品安全の主な動向をご紹介します。

EU:域内で子どもによる鉛含有製品の誤飲事故防止に向けて規制強化

(2015年4月23日 Official Journal of the European Union)

EU委員会は、REACH規制(化学物質の登録/評価/認可/制限に係る規制)の付属書 XVIIにある鉛の使用に関する規制について、新たに、子どもが鉛を含んだ製品の誤飲防止に向けて規制を強化した。本規制は、2016年6月1日以降に初めて市場に導入される製品に適用される。強化された規制の概要は以下の通り(英文を弊社が翻訳し、一部編集)。

  • 通常又は合理的に予見可能な使用状態で子どもの口に入る可能性のある製品または子どもの口に接触する可能性のある部分を含む製品について、重量比 0.05%以上の鉛を含む製品を市場で販売あるいは公共の場での使用に提供してはならない。
米国:装飾用照明器具に関する新安全規制がCPSCにより承認

(2015年6月15日 CPSC ホームページ)

装飾用照明製品の安全確保に関する新しい規制が5月4日にCPSC(Consumer Products Safety Commission – 米国消費者製品安全委員会)に承認・公表され、6月3日に発効した。

1974年以来CPSCはこれらの照明器具について47件の自主リコールを公表しており、その対象台数は360万個に達しているほか、輸入段階で少なくとも127件(31事業者で合計約20万個)が不適合品として輸入を拒否されている。

米国の業界団体が、カーテン、ブラインド等による子どもの事故発生防止について新しいプログラムを推進

(2015年5月6日 Window Covering Manufacturer Association ホームページ)

カーテンやブラインドといった窓周りの製品を取扱う業界の団体(Window Covering Manufacturer Association、以下 WCMA)は、5月6日、第三者機関による製品安全の認証制度「”The Best for Kids”プログラム」を導入することを発表した。

今回の新しいプログラムは、小さな子どものいる家庭で使用するのに適したカーテンやブラインドといった製品を、WCMAが指定する第三者検査機関が認証したうえで梱包や製品にラベル等で表示する制度。

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