レポート

PLレポート 製品安全 2014年度 No.12

2015.3.1

国内のPL関連情報

■東京都福祉保健局が、無症状病原体保有者調査結果(平成26年1月~12月)を公表

(2015年1月29日 東京都福祉保健局ホームページ)

東京都福祉保健局は、1月29日、「平成26年東京都保菌者検索事業実施結果速報」をホームページで公表した※1

都内の食品取扱従事者約6万人を対象にした本調査において、O157などの腸管出血性大腸菌及びサルモネラの無症状病原体保有者※2と断定された人数は、それぞれ、42名と45名であった。腸管出血性大腸菌及びサルモネラは、感染力が強く、散発型集団発生食中毒の原因とされている。食中毒の未然防止、散発型集団発生食中毒の早期発見及び原因究明を図ることを目的に、平成22年以降、本調査は毎年実施されている。

  1. ※1 公表URL:
    http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hokinsya/h26_hokinsokuhou.html
  2. ※2 無症状病原体保有者:
    検便等により菌を保有していることが確認されているが、菌による症状を呈していない者。健康保菌者、不顕性感染ともいわれる。
■注ぎ口の笛部が溶けたやかん

(2015年1月26日 国民生活センター)

国民生活センターは、1月26日付の報道発表資料<相談解決のためのテストからNo.82>により、消費者から依頼のあった「やかんの注ぎ口についた笛部が溶けた原因の調査」についてのテスト結果を公表した。

調査の対象となったのは、やかんが沸騰したこと告げるために注ぎ口先端に取り付けられている樹脂製の笛で、事故製品は笛部周辺の樹脂が溶けて脱落している状態であったという。

テストの結果、

  • 笛の樹脂は、製品の梱包に表示されている通りの耐熱性があること
  • 注意書き通りの使用方法に沿って、コンロの炎がやかんの底面からはみ出さないように加減して沸騰させてやかんの温度を測定したところ、笛部周辺の温度が耐熱温度に達することはなく、訴えの様な笛部の脱落は発生しなかったことが確認された。
■消費者安全調査委員会子どもによる医薬品誤飲事故経過報告

(2014年12月19日 消費者安全調査委員会)

2014年12月19日、消費者安全調査委員会は、子どもによる医薬品誤飲事故に関する調査結果をまとめた「消費者安全法第31条第3項に基づく経過報告」を公表した。

本調査は、平成18年以降、5歳以下の子どもの医薬品等の誤飲事故の件数が増加傾向にあることを受けて行われたもの。

報告書によると誤飲事故の96.5%が自宅で発生し、その多くが服用の為テーブルなどの上に薬を置いていたことが分かった。一方で、薬の誤飲に関する消費者の認知度は低く、処方時に誤飲の説明を受けた割合は約40%にとどまり、誤飲事故を経験した保護者に限定すると、子どもによる医薬品誤飲事故が発生していることを「知らなかった」との回答は64.9%であった。

消費者安全調査委員会は、調査結果から子どもの誤飲を防ぐために、保護者等への注意喚起により家庭での適切な薬の管理を促すことが、誤飲のリスクの低減に有効であるとしたうえで、さらに包装容器改良面での対策の検討が必要であると提言している。

海外のPL関連情報

■米国不法行為法改革基金が訴訟環境の州別ランキングを発表

米国不法改革法改革基金(American Tort Reform Foundation: ATRF)は、12月16日、不法行為法に関わる訴訟環境の良し悪しについて、主として被告企業の立場から、州・地区別にランク付けした報告書を公表した。

ATRFは、不法行為法改革の一環として、米国各州・各地域別に法環境を評価しているが、2002年以降、毎年、当該年度の動向を反映した報告書を公表している。

評価はATRFのメンバー企業内の弁護士や訴訟関係に詳しい企業経営者からの情報のほか、公表された裁判記録等に基づいており、主として訴訟の被告となる企業の立場から、米国内の訴訟環境の悪い州・地域を評価し、ランキングしたものである。

2014-2015 Judicial Hellholes
http://www.judicialhellholes.org/wp-content/uploads/2014/12/JudicialHellholes-2014.pdf

■CPSCとアリババが消費者製品安全に関する共同取組に合意

CPSC(米国消費者製品安全委員会)は、1月13日、世界最大のオンラインショッピングモールを運営する中国企業、アリババグループ(Alibaba Group Holding Limited、以下「アリババ」)との間で、リコール製品を含め危険性や違法性のある中国製の玩具等が米国へ輸入されることを防ぐための措置をとることに合意した旨を公表した。

合意のもとで、アリババはCPSCがアリババと直接連絡できる通信手段を設けるほか、アリババの電子商取引のプラットフォーム上で、米国のバイヤーが違法製品やリコール製品などのCPSCが指定する危険製品にアクセスできないようにする措置をとる。また、アリババは、自社のBtoB(業者間)プラットフォーム上で、米国内の輸入業者等がリスクの高い消費者用製品に関する米国の製品安全基準を参照できるようにし、CPSCの製品安全基準の周知徹底に協力する。

Online Commerce Company Alibaba Group and CPSC Working Together On Consumer Safety
http://www.cpsc.gov/onsafety/2015/01/online-commerce-company-alibaba-group-and-cpsc-working-together-on-consumer-safety/

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