レポート

2020年度 No.2「With コロナ時代の健康経営 」

2021.2.1

要旨

  • コロナ禍における在宅勤務は、多くの企業で感染拡大防止を目的として緊急導入されたが、運用準備が不十分な中、日々の行動が制限される状況もあり、健康面の課題も生じた。
  • 健康状態は様々な相互作用の影響を受けるため、課題のみをとらえるのではなく、利点についても把握した上で対策を講じる必要がある。
  • With コロナ時代の健康経営は、在宅とオフィス勤務を併用した働き方を前提に推進する必要があり、コロナ禍特有の課題を把握した上で、自助努力と組織内の信頼関係醸成が鍵となる。

1. コロナ禍の在宅勤務

在宅勤務は、柔軟性の高い労働環境を整えることで、多様な人材が活躍できる社会を目指す一億総活躍社会の実現に向けて推奨されてきたテレワークの一種である(表1)。

コロナ禍以前にも、2020年のオリンピック開催に向けて導入が進みつつあり、全体では20%に手が届きそうなところまではきていた(図1)。しかし、企業規模によって導入率に差が生じている現状であった(図2)。

このような状況の中、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、緊急的に導入が進んだ在宅勤務は、本来の主旨・目的とは大きく異なった形でスタートした企業も多く、準備が十分に整っていたとは言いがたい。 しかし、新型コロナウイルスの蔓延をきっかけとして在宅勤務を恒常的な仕組み・制度として定着させる企業も存在する。事業内容や企業規模により対応できることに差はあるが、 今後の感染症対策をはじめとしたリスクマネジメントの一環として、また働き方改革につなげることも視野に入れて、在宅勤務を見直す必要がある。

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