レポート

第15号「SDGs 達成に向けたローカルアクション、フォローアップとレビューの重要性」

2022.4.1

本号の概要

  • 現在、SDGsは広く知られる目標、考え方になっている。SDGsは2030年までの達成を目指すべき目標として設定されているもので、取り組み期間の既に三分の一以上が経過した今、認知の拡大や理解の浸透を推進する段階から、 SDGsの達成に向けて行動する段階や、その効果を検証する段階へと移らなければならない。
  • SDGsの達成に向けて具体的に行動する際に鍵となるのは、ローカルレベル(地域レベル)におけるSDGsの取組である。それぞれの地域の経済、社会、環境などの実態を踏まえた現実的で実効性の高い対策を打ち出し、地域内外の関係者とともに 行動することで、当該地域の課題の解決が期待できる。また、そのような取り組みが全国、全世界に広がれば、ナショナルレベルやグローバルレベルのSDGsの達成に繋がることも期待される。
  • 本稿では、SDGsのローカライズの重要性について論じた上で、ローカルSDGsの現状把握と推進を目的に開発された、オンラインSDGsプラットフォーム:Platform Clover(プラットフォーム クローバー)について説明する。

※本稿は、法政大学デザイン工学部の川久保俊教授よりご寄稿頂きました。

1.はじめに

現在の世界が抱える様々な課題を解決し、誰もが幸せに生きることができる世界へ変革することを目指して、2015年9月に開催された国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択された。 "think globally, act locally"という標語が示すように、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて世界の潮流を把握しつつ、各地域で具体的な行動を起こすことが求められている。グローバルな開発目標であるSDGsを ローカライズして地域レベルの開発目標(ローカルSDGs)を策定し、その達成に向けて地域の関係者を巻き込みながら取り組むことが、結果として地域の課題解決と新たな価値の創造につながる。

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