第86号「2018年に発生した2つの被害地震の特徴と今後の地震対策」
2019.1.1
本号の概要
- 2018年に発生した大阪府北部の地震および北海道胆振東部地震の2つの被害地震について、概要や被害状況を振り返る。
- 周辺に主要活断層が存在するかどうかに関わらず、震度6弱程度の地震動はどこでも起こりうると認識し、地震対策を行うべきである。
1.地震の概要
(1) 地震の諸元および震度分布
2018年6月18日に大阪府北部を震源とするマグニチュード(以降、Mと記す)6.1の地震が、また2018年9月6日に北海道胆振地方東部を震源とするM6.7の地震がそれぞれ発生した。2つの地震の諸元は表1に示すとおりである。大阪府北部の地震では、大阪府内5市区で震度6弱を観測している。また北海道胆振東部地震では、厚真町鹿沼で震度7を観測している。各地震の震度分布は図1に示すとおりである。
(2) 震源周辺の活断層
2地震に共通する事項として、震源周辺に活断層の存在が指摘されていたものの、その後の分析により活断層との関連が明確でない点が挙げられる。
図2に、大阪府周辺の活断層の分布を示す。大阪府北部の地震の震源周辺には、図2に示すとおり多くの活断層の存在が指摘されている。本地震は有馬―高槻断層帯および生駒断層帯の近くで発生しているが、現時点でこれらの活断層との関連は明確にはなっていない。
会員登録で レポートを全て見る