レポート

<号外>「令和2年台風10号への備え」

2020.9.1

要旨

  • 2020年9月3日現在、台風10号が発達をしながら西日本に接近中です。その予想進路の海面水温が例年に比較して大幅に高く、過去に沖縄でしか発令されたことがない「台風の特別警報」の発令の可能性を気象庁が示唆するなど、本台風は今後大きく発達することが予想されています。
    昨年発生した台風19号(令和元年東日本台風)では、気象庁から事前に警戒を呼び掛ける発信がなされたにも拘らず、甚大な物的被害と多くの人的被害を発生しました。 本稿では、特に人的被害の低減を目的として、今回の台風に対して至急備えて頂きたい事項についてまとめました。とりわけ台風が接近する地域のお客様におかれましては、ご関係の皆様に本内容をお読み頂き、事前の備えおよび避難のタイミングをご検討頂きたくお願いいたします。
    なお、本レポートは2020年9月3日17時時点の情報に基づいて作成しています。

1.今回の台風の脅威について

2020年9月3日15時現在、台風10号は日本の南を発達しながら西北西に進んでいる(図1)1)。気象庁の発表2)によると、今後特別警報級(中心気圧930hPa以下、最大風速50m/s以上)の勢力まで発達し、6日から7日にかけて、 奄美地方から西日本にかけて接近または上陸するおそれがある。

表1に近年甚大な被害をもたらした台風との比較を示す。予報にはまだ幅があるが、令和2年台風10号で予想される最大風速および中心気圧は、近年甚大な被害をもたらした台風の上陸直前との比較 において、より強い台風であると予想される。(最大風速と被害の関係については表2を参照。)

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