レポート

<号外>「九州南部の豪雨による被害について」

2020.7.1

要旨

  • 2020年7月3日から5日にかけて、九州南部、熊本県、鹿児島県を中心に記録的な豪雨が発生しました。とりわけ球磨川の氾濫や土砂災害によって甚大な被害が発生しました。被害に遭われた皆様には、心からお見舞い申し上げます。 本稿では、今回の豪雨災害の概要について取りまとめました。
    なお、本レポートは2020年7月6日17時現在の情報に基づいて作成しています。

1.災害の概要

(1)気象概要

梅雨前線が西日本から東日本に停滞し、熊本県と鹿児島県に記録的な大雨をもたらした(図1参照)。24時間降水量(表1参照)が熊本県湯前町では489.5mm、同じく水俣市では474.5mmと猛烈な雨に見舞われ、 氾濫した球磨川流域では図2に示す通り、観測史上最大となる地点があった。特に周辺6地点の3時間降水量の日最大値が観測史上や7月の最大になるなど、局地的かつ急な大雨であった とみられる。また気象庁の4日午前の記者会見では「線状降水帯が発生したと見られる」とされ(図3参照)、局地的な現象も重なり事前の予想が困難であったことが指摘されている。

(2)被害概要

現時点で判明している被害状況5)を表2に示す。本豪雨では、熊本県、鹿児島県を中心に浸水や土砂災害による被害が発生しており、死者・行方不明は30人を超えている。 特に球磨村の老人介護施設では浸水により多数の方が被災されている。物的被害については、その詳細が判明していないが多数の被害があったと推定される。

会員登録で レポートを全て見る